エアコンの冷房にかかる電気代はどのくらい?冷房の節電術も紹介!
暑い夏を快適に過ごすために欠かせないエアコン。
しかし、毎日使っていると気になるのは「電気代」ではないでしょうか。真夏に無理をしてエアコンをかけないのは無謀なことなので、できることなら涼しさを保ち電気代も抑えたいですよね。
今回はエアコンの冷房にかかる電気代の計算方法と、電源のON/OFFのタイミングを見極める方法、冷房と除湿の違いなどをくわしく解説していきます。
1.エアコンの冷房にかかる電気代はいくら?
エアコンの冷房にかかる電気代を計算する方法は2つあります。消費電力から計算する方法と、期間消費電力量から計算する方法をご紹介します。
1-1.消費電力から電気代を計算する方法
消費電力はカタログや取扱説明書を見てみましょう。
エアコンの消費電力は幅があります。そのため、冷房は最小130W~最大880Wといったように記載されているので、以下のような計算方法で1時間あたりの最小の電気代と最大の電気代が算出できます。
「電気代=消費電力(W)÷1000×使用時間(時間)×1kWhあたりの電気料金単価(円/kWh)」
電気料金は、契約会社やプランによって異なるため、ここでは公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が提示している、電力料金の目安単価である27円/kWh(税込)で算出してみると以下の通りです。
130W÷1,000×27円=約 3.5円(最小/1時間あたり)
880W÷1,000×27円=約 23.8円(最大/1時間あたり)
1-2.期間消費電力量から電気代を計算する方法
エアコンには、期間消費電力量も記載しており、こちらからも電気代を計算することができます。
期間消費電力とは、エアコンが1年間に消費する電力の目安です。外気温度は東京をモデルとしており、冷房時は27℃、暖房時は20℃、使用時間は6:00~24:00の18時間など、いくつかの条件をもとに算出されています。
エアコンは常に全力で運転しているわけではなく、温度を保つためにパワーを上げたり下げたりしているので、その都度消費電力量が変動します。そのため、平均的な電力量を測ることが難しいのです。期間消費電力量を目安とすることで、最小値と最大値の平均を出したり、定格消費電力で計算したりするよりも、より正確な数値を導き出せるといわれています。
1年間にかかる電気代の求め方は以下の通りです。
「年間の電気代=期間消費電力量(kWh)×1kWhあたりの電気料金単価(円/kWh)」
こちらも期間消費電力量650kWh、電力料金の目安単価である27円/kWh(税込)で算出してみると以下の通りです。
650kWh×27円=17,550円(1年間あたり)
2.冷房は「つけっぱなし」か「こまめに電源ON/OFF」どちらがいい?
エアコンは室温と設定温度の差が大きいときに、かなりのパワーを使用するため電気代が高くなります。
つまり、一度エアコンを消すと室温が外気温度に近くなるため、再度運転したときに大きな電力が消費されます。
一方、つけっぱなしにした場合は、温度を一定に保とうと電力の消費はするものの、急激に消費電力が上がることがないので、電気代がかからないといわれています。
「つけっぱなし」か「こまめに電源ON/OFF」のどちらがいいかは、外出する時間によって異なります。見極め方を見ていきましょう。
2-1.外出せず一日中家にいる場合
外出せず一日中家にいるのであれば、自分でこまめに設定を変えるよりも、つけっぱなしでエアコンにおまかせする方が電気代を節約できます。
自動運転モードは、エアコンがセンサーで感知して、常に快適に過ごせるよう、効率よく運転してくれるからです。
2-2.買い物など1時間以内の外出
1時間以内の外出などは、こまめに電源をON/OFFするよりも、つけっぱなしにした方が電気代は抑えられる傾向にあります。
電源を切ることで抑えられる電力よりも、再度運転したときの電力の方が消費は多くなるからです。
2-3.数時間~半日ほどの外出
真夏は数時間から半日でも、つけっぱなしにした方が、電力量が抑えられる可能性があります。
何より帰宅したときに、快適に過ごせるので気分がいいです。
真夏以外はエアコンの電源をOFFにした方がいいでしょう。
2-4.日中はずっと外出している場合
日中はずっと外出している場合は、エアコンの電源をOFFにしましょう。
帰宅したときに暑い状態を避けたいという人は、タイマー機能を活用しましょう。また、最近はスマートフォンから遠隔で家電のスイッチを入れることができる機種もありますよ。
3.エアコンの冷房の設定温度は何度がおすすめ?
環境省が推奨している室温目安は28℃。ただし、エアコンの設定温度を28℃にするわけではなく、室温を28℃に保てる設定にするのがポイント。夏は同じ気温でも日差しが強かったり、人が多かったりすると温度が上がります。
電気代がかかるからといって我慢をしすぎると、熱中症などに繋がる恐れもあるので、無理をせず体調に気をつけながら温度を調節しましょう。
温度だけではなく、湿度も抑えると過ごしやすくなります。エアコンと一緒に、除湿機を活用するのもおすすめです。
4.「冷房」と「除湿」はどちらがオトク?
「冷房」「弱冷房除湿」「再熱除湿」「ハイブリッド除湿」の4つの電気代を比較してみましょう。
一番電気代がかかるのは、「再熱除湿」。一度冷却した空気を温めて戻すため、電気代が高くなるのです。
次に「冷房」。そして、一番電気代のかからない「弱冷房除湿」と「ハイブリッド除湿」は同じくらいです。
ただし、部屋の広さや運転時間、その日の温度や湿度によって電気代は変化します。
5.エアコンの冷房代の節約方法
5-1.設定温度を低くしすぎない
暑い日に無理して高い温度設定にする必要はありませんが、設定温度を低くしすぎないことが電気代の節約に繋がります。
エアコンの種類、外気温度や設定温度、運転時間にもよりますが、設定温度を1℃上げるだけでも、年間で1,000円近くの節約になることも。
5-2.自動運転モードを利用する
冷房の場合、自分の感覚で温度を調整するよりも、自動運転モードを利用した方が、効率よくこまめな温度調整をしてくれるので、節電につながります。
5-3.扇風機やサーキュレーターとの併用
冷たい空気は下にたまるので、扇風機やサーキュレーターを併用し、空気を循環させるのも効果的。
扇風機は身体に風が当たるので体感温度が下がり、冷房の設定温度を低くしなくても涼しく感じられ、節電になるのです。
5-4.定期的にフィルターを掃除する
フィルターは使用状況にもよりますが、2週間に1回を目安に掃除をしましょう。最低でも月に1回は掃除をするように心がけてください。
フィルターにホコリなどの汚れがついていると、空気の通りが悪くなり、冷やす機能が低下するので余計な電気代がかかってしまいます。また、電気代がかかるだけではなく、カビが繁殖し、室内に空気と一緒にカビの胞子が排出され、アレルギーの原因になることもあるので要注意です。
5-5.室外機の周りには何も置いたりしない
室外機の周りにものを置いたり、ホコリやゴミが溜まってしまったりすると、熱をうまく放出することができず、運転効率が下がってしまいます。
最悪の場合、故障につながることもあるので、室内機のみならず室外機にも気を配りましょう。
5-6.「つけっぱなし」と「電源ON/OFF」をうまく使い分ける
エアコンは運転を開始してから、設定温度になるまでの消費電力が最も高くなります。
良かれと思い、こまめに「電源ON/OFF」をすると余計な電気代がかかることも。
そのため、「つけっぱなし」と「電源ON/OFF」を上手に使い分けるのが節約のポイント。
気温が高い日に、短時間の外出なら「つけっぱなし」がおすすめ。切ってしまうと一気に室温が上がり、下げるまでに使う消費電力が高くなります。短時間であれば、室温を維持する消費電力の方が少なく済むのです。
まとめ
エアコンの電気代が気になるという人は、「つけっぱなし」と「電源ON/OFF」を上手に使い分け、冷房と除湿機能の違いも覚えておきましょう。
部屋全体に冷たい空気が行きわたるように、扇風機やサーキュレーターを併用するのもおすすめです。
また、エアコンの性能を落とさないためにも、こまめなお手入れを心がけてくださいね。
使用年数が長い場合は、買い替えを検討してみるのもいいでしょう。最新のエアコンの方が省エネなので、電気代を抑えられる可能性が高いですよ。