電子レンジの寿命はおよそ10年!買い替えサインや使い続けるリスク、長持ちさせるコツを解説
1. 電子レンジの平均寿命は約10年
電子レンジの寿命は約10年、メーカーの部品保有期間は8年といわれています。
電子レンジは不具合を放置して使い続けると、発火する危険性もあるので注意しなくてはなりません。
1-1.電子レンジの寿命=食品を温めるマイクロ波の寿命
電子レンジは、マイクロ波という電波を照射することで食品を温めています。
そのマイクロ波を発生させるために、電子レンジにはマグネトロンという部品が使われています。
このマグネトロンの寿命は約2,000時間となっています。
使用頻度によって変わりますが、毎日30分程度使用すると10~12年で寿命となるので、電子レンジの寿命は約10年といわれているのです。
1-2.多機能電子レンジは寿命が短め
たくさんの機能がついている電子レンジはとても便利です。
しかし、多機能であるということは、部品もたくさん使われており複雑な構造となっているので、さまざまな部品が故障するリスクが高く、温める機能だけのシンプルなタイプの電子レンジよりも寿命が短いといわれています。
2.8年以上使っている電子レンジは修理より買い替えがおすすめ
8年以上使用している電子レンジは、修理よりも新しく買い替えた方がいいでしょう。
メーカーは製造終了後も、修理などのために一定期間部品を保有しなくてはなりません。電子レンジの場合、部品の保有期間は8年です。
そのため、電子レンジを8年以上使用している場合、修理用の部品がない可能性があり、修理が厳しくなります。
また、長期的に使っていると、一部を新しく交換しても、別の部品が壊れる恐れもあります。
何度も修理していると修理代の方が高くなってしまうケースもあるため、買い替えを検討する方が賢明です。
3. これが出たら即チェック!電子レンジの買い替え時のサイン
3-1.電源が入らない、操作ボタンや画面が反応しない
電子レンジの電源が入らなかったり、操作ボタンが作動しない、画面がうまく表示されなくなったりしたときは寿命かもしれません。
電子レンジのコンセントを抜いて、数分経ったらもう一度電源を入れると直ることもあります。
直らないときや一度直ってもまたすぐに不具合が出るときは、買い替えを考えた方がいいでしょう。
3-2. 加熱が遅い・温まらない・温まりムラがある
食品がなかなか温まらないときは、マイクロ波が弱くなっている可能性があります。
つまり、マグネトロンの寿命といえるため、買い替えを検討した方がいいでしょう。
マグネトロンだけを交換してもいいですが、その他の部品も寿命が近づいてきているため、何度も修理するよりも新しく購入した方が、コストパフォーマンスが高いといえます。
3-3. 使用中に途中で止まる
電子レンジが頻繁に動かなくなってしまうときも、寿命といえます。
マグネトロンの寿命ではなく、他の部品の接続不良などの故障が考えられます。
止まったらまた操作をすれば温まりますが、使い続けるのは危険です。
3-4. 加熱中に「ブーン」以外の異音や食品以外の異臭がする
電子レンジの使用中に変な音がしたり、食品が焦げたニオイではない異臭がしたりする場合は、すぐに電子レンジを止めましょう。
部品の破損が原因で異音や異臭がしている可能性があるので、買い替えを検討する時期といえるでしょう。
電子レンジからする異音についてはこちらの記事でも解説しているため、参考にしてみてください。
3-5. 温めているときに庫内で火花(スパーク)が出る
電子レンジで温めているときに、パチッと音がして火花が散ったときは要注意です。
電子レンジの金属板が壊れている可能性が考えられます。これはスパークと呼ばれる現象です。
ただし、下記のスパーク現象は例外です。
・水気の少ない食べ物を温めた
・アルミホイルを温めた
・金属のスプーンやフォークなど入れた
・食器に金粉や銀粉が塗られている
・排気口などが塞がっている
これらが理由の場合は、電子レンジの金属板の故障ではない可能性もあります。
3-6. ドアの開閉がスムーズでない
電子レンジのドアがうまく閉まらない、開閉がスムーズでなくなった場合も寿命のサインです。
ドアがしっかり閉まらないと、センサーが正常に働かず動作しなかったり、加熱中に停止したりすることがあります。
内部の部品が故障している可能性も考えられるため、買い替えを検討しましょう。
4. 寿命が近い電子レンジは火災の危険性大!不調なまま使い続けるリスク
不具合が出始めた電子レンジを使い続けることは危険です。
特に電気系統の部品が故障すると、異常な発熱やショートを引き起こし、発煙や発火、最悪の場合は火災につながる危険性があります。
重大な事故を防ぐためにも、寿命のサインや不具合を感じたら、速やかに修理を依頼するか、買い替えを検討するようにしましょう。
5.電子レンジを長持ちさせる方法
5-1. 庫内の汚れはこまめに掃除する
電子レンジの掃除は定期的に行いましょう。
食品を温め終わったときなど、汚れに気づいたらすぐに拭き取る癖をつけましょう。
食べ物のカスや油汚れがたまると、電子レンジのセンサーが正常に作動してくれないことがあります。
掃除が苦手、めんどくさいと思うかもしれませんが、電子レンジの掃除は意外と簡単にできます。
電子レンジの簡単な掃除方法はこちらをチェックしてみてください。
5-2. 空焚きは絶対にしない
何も入れずに電子レンジを使用してしまうと、一気に寿命が縮まります。
温めるときに出るマイクロ波は、通常食品に吸収されますが、空焚きをすると吸収されるものがないため、マグネトロンの劣化を早めてしまうのです。
食品を入れ忘れていないかしっかりと確認してから、スタートボタンを押しましょう。
5-3.長時間の連続使用は避ける
電子レンジで食品を温めると、電子レンジ本体も熱くなります。
そのため、長時間連続で電子レンジを使用すると発火の危険性も高くなります。
電子レンジを使用するときは、まとめて短時間で済ませるか、長時間使用するときは本体が熱くなりすぎないように時間を空けるようにしましょう。
5-4. アルミホイルや金属製の食器を入れない
電子レンジにアルミホイルなどの金属を入れてしまうと、マイクロ波が反応し、火花や煙、大きな音が発生する恐れがあります。
電子レンジの庫内が傷つき、故障につながることもあるため、アルミホイルの他に金属容器や金属の装飾がある食器、スプーンやフォークなどのカトラリーは温めないようにしましょう。
電子レンジで温めてはいけないものに関しては下記の記事で解説しているので、参考にしてみてください。
5-5. ドアは優しく丁寧に開閉する
電子レンジのドアは、内部のセンサーや部品と連動しているため、勢いよく閉めると衝撃で故障の原因となります。ドアは優しく、静かに開閉するよう心がけるだけで、寿命を延ばすことにつながります。
5-6.壁から適切な距離を空けて置く
電子レンジは安定した平らな場所で、壁から一定の距離を空けて設置しましょう。
不安定な場所に置くと、使用した際に振動や揺れで故障につながるだけではなく、落下の危険性もあります。
左右の壁や上部、背面は適切な距離を空けずに密着させてしまうと、給気口がふさがり、電子レンジの中に熱がこもってしまいます。
一取扱説明書に適正距離が記載されているため、必ず確認してから正しく設置しましょう。
6. 新しい電子レンジ選びの3つのポイント
電子レンジの買い替えを決めたら、次はどのモデルを選ぶかが重要です。ライフスタイルに合わないものを選ぶと、結局使いにくいと感じてしまいます。
ここでは、新しい電子レンジを選ぶ際に確認したい3つのポイントを紹介します。
6-1. 容量を確認する
電子レンジの容量は、使用人数に合わせて選びましょう。
一般的に、一人暮らしなら20L前後の小さめサイズ、2人暮らしなら20〜25L程度、3人以上の家族であれば26L以上の大きめサイズが目安とされています。
一度にどれくらいの量を温めることが多いかを考えて選びましょう
6-2. 機能
電子レンジには、温め機能のみの「単機能レンジ」と、オーブンやグリル機能も搭載した「オーブンレンジ」があります。
飲み物やお弁当の温めがメインであれば単機能レンジで十分ですが、お菓子作りや本格的な料理もしたい場合はオーブンレンジが適しています。
自分の食生活に必要な機能を見極めましょう。
6-3. 設置スペース
見落としがちなのが設置スペースです。
電子レンジは、安全に使用するために本体の周囲に放熱スペースを確保する必要があります。
購入前に、現在置いている場所の寸法だけでなく、必要な放熱スペースも含めて収まるかを確認することが不可欠です。
7. 寿命がきた電子レンジの正しい処分方法
寿命を迎えた電子レンジの処分方法は主に下記の6つになります
・住んでいる自治体で粗大ゴミとして処分する
・行政の処分場に持ち込み
・新しいものを購入した際に家電量販店へ処分を依頼
・リサイクルショップで売却する
・不用品回収業者に依頼する
これらの電子レンジの処分方法について、詳しくはこちらの記事で処分方法の手順などを解説しているため、電子レンジが寿命を迎えた際は参考にしてみてください。
8. まとめ
電子レンジの平均寿命は約10年です。
「温まりにくい」「変な音がする」「電源が入らない」といった不調は、寿命が近づいているサインかもしれません。
寿命が近い電子レンジを不調なまま使い続けると、発煙や発火による火災のリスクがあり大変危険です。
8年以上使用している場合は、修理部品がない可能性や修理代が高くつくケースもあるため、買い替えがおすすめです。
本記事で紹介した買い替え時のサインをご自宅の電子レンジと照らし合わせ、少しでも異常を感じたら、安全のために修理の依頼か買い替えを検討しましょう。
まだ使える場合も、こまめな掃除や正しい使い方を心がけ、電子レンジを安全に長く愛用してください。
