冷蔵庫の処分方法は主に6種類!それぞれの処分費用の目安や注意点をくわしく解説

1. 注意!冷蔵庫は「家電リサイクル法」の対象です
冷蔵庫を処分する際、まず知っておかなければならない大切なルールがあります。
冷蔵庫は「粗大ゴミ」として捨てられないということです。
冷蔵庫は「家電リサイクル法」の対象品目に指定されています。
これは、有用な資源をリサイクルし、環境への負荷を減らすために定められた法律です。
そのため、不要になった冷蔵庫は、法律で定められた正しい方法でリサイクルに出さなければなりません。 この記事では、その具体的な処分方法を詳しく解説していきます。
2. 冷蔵庫の処分方法6選|費用とメリット・デメリットを比較
冷蔵庫を正しく処分する方法は、大きく分けて6つあります。
ご自身の状況によって最適な方法は異なるので、それぞれの方法にかかる費用相場、メリット・デメリットを一覧表で比較してみましょう。
| 処分方法 | 費用相場 | メリット | デメリット |
| 新しい冷蔵庫を購入する店に依頼 | 5,000円〜8,000円程度 | ・手間が最小限で済む | ・そのお店で買い替えることが前提 |
| 処分する冷蔵庫を購入した店に依頼 | 5,000円〜10,000円程度 | ・購入履歴があれば依頼可能 | ・購入点が遠方または不明だと使えない |
| 自治体に相談 | 8,000円〜10,000円程度 | ・悪徳業者がいない | ・自身で業者を手配しなければいけない |
| 指定引取所へ持ち込み | リサイクル料金のみ | ・収集運搬料がかからないため最安 | ・自身で運搬する必要がある ・リサイクル券の事前購入が必要 |
| 不用品回収業者に自身で依頼 | 8,000円〜15,000円程度 | ・対応が早く他の不用品も依頼できる | ・費用が割高になる場合がある ・違法業者に注意が必要 |
| リサイクルショップやフリマアプリに売却 | 無料+売却益 | ・処分費用がかからない ・出張買取なら手間も少ない |
・製造から10年以上経っているものは売るのが難しい ・状態が良くないと売れない |
3.冷蔵庫の処分方法の詳しい手順と注意点
ここからは、比較表で紹介した6つの方法について、どのような人に合った方法か、具体的な手順や注意点を詳しく解説していきます。
3-1. 新しい冷蔵庫を購入する店に依頼する
具体的な手順
新しい冷蔵庫を購入する店舗に、古い冷蔵庫の処分を依頼するだけで完了です。
購入時に引き取りを申し込むと、家電リサイクル券の発行手続きなども店舗側で行ってくれる場合が多く、非常にスムーズです。
新しい冷蔵庫の配送時に、古い冷蔵庫を同時に引き取ってもらえるケースがほとんどで、最も手間がかからない方法です。
注意点
・最も手間がかからない方法ですが、そのお店で新しい冷蔵庫を購入することが前提となります。
こんな方におすすめ
・冷蔵庫を買い替える方

3-2. 処分したい冷蔵庫を購入した店に依頼する
具体的な手順
処分したい冷蔵庫を過去に購入した店舗に連絡し、引き取りを依頼します。
依頼後、業者が自宅まで引き取りに来てくれます。
注意点
・購入した店舗が不明な場合は利用できません。
・引っ越しなどで購入した店舗が遠方になってしまった場合や、その店舗が閉店してしまった場合も依頼できません。
こんな方におすすめ
・冷蔵庫の買い替えはせず、処分だけしたい方
・処分したい冷蔵庫を購入した店舗がわかり、近くにある方
3-3. お住まいの自治体(市区町村)に相談する
具体的な手順
1.郵便局の窓口でリサイクル料金を支払い、家電リサイクル券を入手します。
2.お住まいの市区町村に冷蔵庫の処分方法を問い合わせ、自治体が案内する許可業者に収集を依頼します。
3.業者が自宅まで回収に来てくれます。
注意点
・自治体や業者によっては、回収が玄関先での受け渡しのみとなる場合があります。
その場合、室内から玄関まで冷蔵庫を自分で運ぶ作業が発生するため、依頼時に設置場所から運び出してもらえるかを必ず確認してください。
こんな方におすすめ
・買い替えではなく、処分だけしたい方
・購入した店舗が不明、または遠方・閉店などで依頼できない方
・自分で冷蔵庫を運び出すのが難しい方
3-4.指定引取場所に自分で持ち込む
具体的な手順
1.郵便局の窓口で、リサイクル料金を支払い、家電リサイクル券を入手します。
2.一般財団法人家電製品協会のウェブサイトなどで、最寄りの指定引取場所を検索します。
3.指定引取場所の営業時間内に、家電リサイクル券と一緒に冷蔵庫を直接持ち込みます。
注意点
・指定引取場所には営業時間が設定されています。必ず事前に営業日・受付時間を確認してから持ち込んでください。
こんな方におすすめ
・処分費用をとにかく安く抑えたい方
・自分で冷蔵庫を運搬できる車や人手がある方
3-5. 不用品回収業者に依頼する
具体的な手順
1.インターネットなどで不用品回収業者を探し、見積もりを依頼します。
2.料金や回収日時に納得すれば、正式に依頼します。
3.指定した日時に業者が訪問し、運び出しから回収まで行ってくれます。
注意点
・業者独自の作業費・出張費などがかかるため、他の方法に比べて費用は割高になる傾向があります。
・一般廃棄物収集運搬業の許可を得ていない無許可の業者も存在するため、自治体の許可を得ているか確認すると安心です。
こんな方におすすめ
・引っ越しなどで、即日・翌日など処分を急いでいる方
・冷蔵庫以外にも処分したい家具・家電が複数ある方
・運び出しなども含め、すべての作業を任せたい方
3-6. リサイクルショップやフリマアプリで売却する
具体的な手順
・リサイクルショップ
電話やネットで出張査定を依頼するか、店舗に直接持ち込んで査定してもらい、売却します。
・フリマアプリ
自分で写真撮影、商品説明の記載、価格設定を行い出品します。
売れた場合は梱包し、発送手続きを行います。
注意点
・買取や売却の条件は厳しく、壊れているものはもちろん、製造から10年以上経過している冷蔵庫は売却できない可能性が非常に高いです。
・一般的に、価格がつくのは製造から5~7年以内が目安とされます。
・フリマアプリは、出品や梱包、発送などをすべて自分で行う手間がかかります。
すぐに売れるとは限らないため、「今すぐに処分したい」という人には不向きな方法です。
こんな方におすすめ
・処分する冷蔵庫が製造から5~7年以内で状態が良い方
・処分費用をかけずに、逆にお金に換えたい方
・フリマアプリの場合:出品や梱包・発送の手間を惜しまない方

4. 冷蔵庫の処分にかかる料金
冷蔵庫の処分には大きく分けて2種類の費用がかかります。
4-1. 家電リサイクル料金
「家電リサイクル料金」は、家電リサイクル法に基づき、リサイクルのために設定している料金です。
この料金は処分する人すべてが支払う必要がある、法律で定められた費用です。
料金は、冷蔵庫の「製造メーカー」と「サイズ」によって異なります。
Haier(ハイアール)の場合
・小型冷蔵庫(170L以下):3,740円
・大型冷蔵庫(171L以上):4,730円
※2025年11月12日時点の料金
ご自身の冷蔵庫の正確なリサイクル料金は、一般財団法人家電製品協会のHPで確認できます。
引用:一般財団法人家電製品協会リサイクル料金 メーカー名検索
家電リサイクル券の購入方法
家電リサイクル券は、郵便局の窓口で必要事項を記入し、料金を支払って購入します。
※家電量販店や一部の業者に依頼する場合は、購入手続きを代行してくれることがほとんどです。
4-2. 収集運搬料金
「収集運搬料金」は、自宅から指定の場所まで冷蔵庫を運んでもらうための費用です。
この料金は、法律で一律に決められているわけではなく、回収を依頼する家電量販店、不用品回収業者などが個別に設定しています。
そのため、どの業者に依頼するかによって金額が異なります。
5. 無許可の回収業者には要注意
冷蔵庫を処分するときは無許可の回収業者に注意しなくてはなりません。
回収業者には住んでいる自治体の「一般廃棄物処理業」や委託が必要なのです。
無許可の回収業者は、不法投棄をしたり、不法な処分方法でフロンガスなど有害物質を発生させていたり、ときには発火の危険性もあり火災の原因にもなるため、さまざまな人に迷惑がかかります。
5-1. 無許可の回収業者の見分け方
無許可の回収業者には、いくつかの共通した特徴があります。 以下のような特徴がある業者は避けるようにしましょう。
・チラシやウェブサイトに「無料」や「格安」であることを極端に強調している
・チラシやウェブサイトに会社の所在地や連絡先(固定電話番号)が明記されていない
・軽トラックなどで地域を巡回し、「ご家庭で不要になった家電はありませんか」とスピーカーで呼びかけている
・事前の連絡もなく、突然自宅に訪問してきて回収を勧誘する
5-2. 実際にあったトラブル例
「無料だと思って頼んだら、後で高額な料金を請求された」といったケースが、国民生活センターなどにも多く寄せられています。
・無料のはずが、トラックに積み込んだ後で作業費や運搬費として高額な料金を請求された
・回収してもらった家電製品が、近隣の山中や空き地に不法投棄されていた
これらはあくまで一例であり、法外な料金を請求されるなど、深刻な金銭トラブルに発展したケースも報告されています。

5-3. 自治体のWebサイトで紹介されている業者は安心
違法業者を確実に避けるためには、お住まいの自治体(市区町村)に処分方法を問い合わせることが最も安全です。
自治体のウェブサイトでは、正式に許可や委託を受けている正規の業者を紹介しています。
どの業者に依頼すればよいか迷った場合は、まずは自治体のホームページを確認するか、役所の担当窓口(環境課、清掃課など)に問い合わせてみましょう。
まとめ
冷蔵庫の正しい処分方法6選を紹介しました。
重要なのは、冷蔵庫は粗大ゴミでは捨てられず、家電リサイクル法」基づいて処分しなければいけません。
処分には原則としてリサイクル料金と収集運搬料金がかかります。
そのため、無料回収をうたう違法な業者には高額請求や不法投棄のリスクがあるため、絶対に依頼しないでください。
買い替えなら新しい店に、費用を最安にするなら指定場所へ自分で持ち込み、購入店が不明なら自治体に相談するのが基本です。
もし新しくて状態が良いなら売却も検討できます。
ご自身の状況に最適な方法を選び、正しく冷蔵庫を処分しましょう。