冷蔵庫の寿命は平均8〜12年!故障のサインと修理・買い替えの判断基準を解説

冷蔵庫はいきなり壊れてしまうと、食材をダメにしてしまったり、希望通りの冷蔵庫がすぐに手に入らなかったりと、トラブルが多発してしまいます。
できれば、寿命を見据えて、壊れる前に買い替えを検討したいものです。
そこで今回は、一般的に冷蔵庫の寿命といわれている年数や寿命が近づいているサインを知り、買い替えのタイミングを見極めていきましょう。
寿命と勘違いしやすい現象や、冷蔵庫の処分方法などもくわしく解説していきます。
1.冷蔵庫の平均寿命は8~12年
使い方や環境によっても変化しますが、一般的に冷蔵庫の寿命は8~12年といわれています。
15年以上使い続けているという人もいるので、はっきりとした年数はお伝えできませんが、一般的な判断基準は2つあります。
1-1.メーカーの部品保有期間は生産終了から9年
メーカーの部品保有期間は、寿命を判断する基準の一つになります。
冷蔵庫の部品保有期間は9年です。
9年以上経って不具合が起こった場合、部品がないという理由で修理を断られる可能性があります。
ちなみに製品の生産が終了してから9年のため、2022年に購入しても、2020年に生産が終了していれば、2029年には部品がなくなってしまいます。
(出典元:別表3|製造業表示規約|公正競争規約|公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会)
1-2.国が定める耐用年数は6年
国税庁が定める冷蔵庫の耐用年数は6年
まだ部品があって修理ができる冷蔵庫でも、6年以上経って故障するということは、他の部品も壊れる可能性があります。
修理を繰り返しているうちに、新品を買ったほうが安く済んだという場合もあるので、耐用年数を過ぎているときは、買い替えを検討するタイミングでもあります。

2.冷蔵庫の寿命が近いサイン
2-1.冷蔵庫・冷凍庫の冷えが悪い
時間をかけても温度が下がらなかったり、部屋の温度と庫内の温度にほとんど差がないような状態であれば、寿命や部品が故障している可能性があります。
2-2.製氷機で氷ができない
氷ができないときは冷蔵庫の冷やす機能が低下している可能性があります。
冷蔵庫は大丈夫でも、製氷機や冷凍庫など凍らせる機能が先に故障することも多いです。
2-3.長時間の駆動音や異音
冷蔵庫を開け閉めすると、庫内の温度が上がるので、冷やそうとして「ブーン」という駆動音がします。
冷やし終わると音は止まるのですが、普段聞きなれない音がしていたり、いつまでも音がとまらないというときは要注意。何か異常があるのかもしれません。
2-4.水漏れしている
冷蔵庫には水をためる部分があるのですが、古くなるとその水が漏れてしまうことがあります。
庫内に水が漏れているときは、冷気が放出される部分が汚れているという理由も考えられるので、綺麗にすると改善されることもありますが、床に水が漏れているときは修理が必要な可能性が高いです。

3.冷蔵庫の寿命と勘違いしやすい現象
冷蔵庫の寿命かもしれないと思ったら、使い方に問題があったという場合も。
原因を取り除けば、故障ではなくすぐに改善されるので、壊れたのかもしれないと思ったときは、以下のような現象が起きてないかも確認しましょう。
3-1.冷蔵庫の側面が熱い
冷蔵庫の側面を触ったときに、熱くなっていることはありませんか?
冷蔵庫は外に放熱することで冷やしているので、側面が熱くなるのは当たり前のことです。
基本的に故障した場合は、強制的に運転が停止するようになっています。
冷蔵庫が熱すぎて気になるというときは、ドアの開閉を減らしたり、食材を詰めすぎたりしないように気をつけ、冷蔵庫の冷気が逃げないよう工夫するといいでしょう。
部屋の窓を開けて換気するのも効果的です。
3-2.冷蔵庫の送風口を塞いで冷えない
送風口を塞いでしまうと、冷蔵庫内全体に冷気が行きわたらず、冷えないという現象が起こります。
冷蔵庫内に食材を詰めるときは、半分くらいの量がベスト。多くても7割程度にしましょう。
3-3.パッキンの劣化
パッキンが劣化していたり、汚れやゴミがついていたりすると、ドアがしっかりと閉まらないため、冷気が漏れやすくなります。
パッキンの汚れは、掃除もしくは交換するだけで解決します。
放置していると、冷気が漏れるため、食材が傷みやすくなるだけではなく、電気代がかさむこともあるので、早めに対処しましょう。
3-4.温度設定が弱になっている
冷蔵庫の冷えが悪いと感じたら、基本的なことですが温度設定も確認してみましょう。
何かの拍子に設定が変わってしまい、温度設定が「弱」など、弱冷モードになっていることがあります。
特に夏場や、食材を多く入れた直後などは、設定が「弱」のままだと冷えが追いつかない場合があります。
季節や庫内の状況に合わせて、温度設定を「中」や「強」に調整してみてください。
4. 冷蔵庫を長持ちさせる使い方
冷蔵庫は、使い方を少し工夫するだけで、寿命を延ばし、電気代の節約にもつながります。毎日の生活の中で簡単にできる、冷蔵庫を長持ちさせるための5つのポイントをご紹介します。
4-1.冷蔵庫の周りに隙間を作り、直射日光を避ける。
冷蔵庫は、庫内を冷やすために、本体の側面や背面、上部などから熱を放出しているため、壁や家具との間に適切な放熱スペースが必要です。
この隙間がふさがれていると、放熱がうまくいかず、冷蔵庫にかかる負荷が大きくなり、寿命を縮めてしまいます。
必要な隙間は機種によって異なりますので、取扱説明書で確認し、適切なスペースを確保しましょう。
また、直射日光が当たる場所や、ガスコンロなどの熱源の近くに設置するのも避けてください。
周囲の温度が高い場所では、庫内を冷やすためにより多くのエネルギーが必要となり、冷蔵庫に負担がかかります。
4-2.ドアの開閉は短く、少なく
冷蔵庫のドアを開けると、庫内の冷気が外に逃げてしまいます。
すると、庫内の温度が上昇し、冷蔵庫は設定温度まで再び冷やそうとコンプレッサーを稼働させます。
この稼働が多いほど、冷蔵庫への負担は大きくなります。
食材を取り出す際は、あらかじめ何を取り出すか決めておき、ドアを開けている時間をできるだけ短くするよう心がけましょう。
また、飲み物を頻繁に取り出すなど、開閉する回数を減らすことも大切です。
4-3.食品を詰め込みすぎない
冷蔵庫内に食品を隙間なく詰め込みすぎると、冷気の通り道がふさがれてしまいます。
特に冷気の吹き出し口付近を塞いでしまうと、温度ムラができやすくなるだけでなく、冷蔵庫は庫内が冷えていないと判断し、余計に稼働しようとします。
食品同士が密着しないよう適度なスペースを空け、庫内の見通しを良くしておくことが、負担を減らし、節電にもつながります。
一般的に、容量の5〜7割程度までに抑えるのが目安とされています。
4-4.熱いものは冷ましてから入れる
調理したばかりの熱い料理などを、そのまま冷蔵庫に入れるのは避けましょう。
冷蔵庫は、上昇した温度を感知し、設定温度に戻すためにフル稼働するため、大きな負担がかかります。
カレーや煮物など熱いものは、必ず粗熱をとって十分に冷ましてから冷蔵庫に入れるようにしてください。
5.寿命が近い冷蔵庫は修理か買い替えか?判断のポイント
5-1.使用年数が8年以内なら修理を検討
冷蔵庫の不具合を感じても、使用年数がまだ8年以内の場合は、修理を検討する余地があります。
使用年数が8年程度であれば、修理に必要な部品がメーカーに残っている可能性が高いでしょう。
ただし、修理費用が思ったより高額になるケースもあります。まずはメーカーや修理業者に見積もりを依頼し、修理にかかる費用を確認してから判断しましょう。
5-2.8年以上使用したなら買い替えがオススメ
もしお使いの冷蔵庫が8年以上経過している場合、買い替えがおすすめです。
部品の保有期間(目安9年)を過ぎると修理部品がなく、対応できない可能性があるためです。
また、修理できても費用が高額になるケースも少なくありません。
さらに、最新の冷蔵庫は省エネ性能が大きく向上しており、買い替えることで年間の電気代を大幅に節約できるメリットもあります。
修理費用と本体価格、かかる電気代を比較して検討してください。

6.冷蔵庫の買い替え時と選び方のポイント
冷蔵庫の買い替えを決めたものの、何を基準に選べばよいか迷うかもしれません。
毎日使うものだからこそ、機能や価格、サイズなどをしっかり比較して選びたいものです。
ここでは、冷蔵庫を買い替える際にチェックしたい3つのポイントをご紹介します。
6-1.省エネ性能が高いものを選ぶ
現在使用している冷蔵庫が7〜8年以上前のものであれば、最新のモデルに買い替えることで電気代の節約が期待できます。
冷蔵庫は24時間365日稼働しているため、家庭の消費電力の中でも大きな割合を占めがちです。
近年、冷蔵庫の省エネ性能は大きく向上しています。
古いモデルから買い替えるだけで、年間の電気代が数千円単位で安くなるケースも少なくありません。
選ぶ際には、カタログや店頭のラベルに表示されている「省エネ基準達成率」をチェックしてみましょう。
この数値が100%以上のものは、省エネ基準を満たしていることを示しており、数値が大きいほど省エネ性能が高いとされています。
6-2.セールなど安くなる時期に購入する
冷蔵庫のような大型家電は、購入する時期によって価格が変動することがあります。
少しでもお得に購入したい場合は、家電量販店のセール時期を狙うのがおすすめです。
一般的に、決算期にあたる3月や9月、ボーナス時期の7月や12月、年末年始などは、セールが開催されやすいタイミングです。
また、冷蔵庫の新モデルが発売される時期の少し前は、従来モデルの価格が下がることがあります。
最新機能に強いこだわりがなければ、このタイミングでの購入も賢い選択肢の一つです。
6-3.家族構成やライフスタイルに合わせて容量を選ぶ
冷蔵庫の容量は、一度購入すると簡単には変えられません。家族の人数や、普段の食生活に合わせて、最適な容量を選ぶことが大切です。
容量を選ぶ目安として、以下のような計算式がよく使われます。
(家族の人数 × 70L) + (常備品 100L) + (予備 70L)
ただし、これはあくまで目安です。
例えば、自炊をよくするご家庭や、週末にまとめ買いをすることが多い場合は、目安よりも大きめの容量を選ぶと安心です。
逆に、外食が多い場合や、買い物の頻度が高い場合は、少し小さめでも問題ないかもしれません。
冷凍食品をよく利用する場合は冷凍室の容量、野菜を新鮮に保ちたい場合は野菜室の機能や容量もチェックしておきましょう。
将来的に家族が増える予定があるかどうかも、考慮に入れておくとよいでしょう。
7.寿命が来た冷蔵庫の処分方法
冷蔵庫・洗濯機・エアコン・テレビは、家電リサイクル法により特定家庭用機器とされています。
そのため処分方法に決まりがあるのです。
まだ使える冷蔵庫であれば、フリーマーケットや中古買取を検討することもできますが、故障してしまった、もう使える状態ではないといった場合はどうしたらいいのか見ていきましょう。
詳細な処分方法の手順についてはこちらの記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
7-1.買い替えと同時にお店で引き取ってもらう
家電量販店などであれば、買い替えと同じタイミングで引き取りを提案してくれるはずなので、設置の際にお願いするとスマートです。
冷蔵庫の大きさによって金額は前後しますが、リサイクル料や運搬費などがかかります。
5,000~10,000円程度かかると考えた方がいいでしょう。
中には引き取り手数料無料といったキャンペーンや下取りで割引といったサービスがあるところもあるので、さまざまなお店で購入を検討してみてください。
7-2.お店に依頼か市町村に確認
リサイクルショップなどで冷蔵庫を購入した場合は、今まで使っていたものは引き取ってもらえないこともあります。
そんなときは廃棄物回収業者に依頼しましょう。
どこの業者に依頼したらいいのかわからないというときは、処分方法を市町村に確認してみるといいでしょう。
まとめ
冷蔵庫の寿命は8~12年です。耐用年数は6年といわれているため、6年以上経っているときは、修理だけではなく、買い替えも視野に入れた方がいいでしょう。
冷蔵庫は、突然壊れると焦ってしまうものです。希望通りの冷蔵庫がすぐに手に入らないことも多いため、寿命のサインを感じたら、早めに買い替えを検討しましょう。
ただし、寿命と勘違いしやすいサインもあるので、すぐに故障と判断せず、パッキンなども確認してくださいね。
冷蔵庫は処分方法にもルールがあるので、購入時は確認しておきましょう。