2021.11.19
現在、お米を炊く家庭では1家に1台ある家電の一つ炊飯器。
いまでも土鍋や羽釜でお米を炊かれる方はいますが、いつの時代から土鍋や羽釜から炊飯器が普及していったのでしょうか。
この記事では、炊飯器の歴史について解説します。
1924年、現在の炊飯器の前身ともされる「電気釜」が初登場します。
この段階ではヒーターの上に釜を乗っけたような形であり、船舶用として使われ、現在の炊飯器とは全く異なる造りとなっていました。
この電気釜の登場から、様々なメーカーが「電気を利用して飯を炊く」ということを目指して、試作品を作っていきますが家庭向けでなかったり、外気温の影響を受けやすいことから米が生煮えになることが多いなど、失敗続きのまま試行錯誤を繰り返していきました。
手動の電気釜の登場から約30年後の1955年、手動でスイッチを切るタイプの電気釜にかわり、炊飯が終了すると自動でスイッチが切れる「自動式電気釜」が発売されました。
内釜の外にも水を入れるのが特長で、三重釜と呼ばれました。
さらに、自動的に電源オンになるタイマーも別途販売され、電源のON・OFFが自動化されたので、いったんタイマーをかけておけば夜眠っている間に炊飯されて、朝起きたら炊き上がっているという全自動化になります。この全自動化が便利だったため、電気釜は大ヒット商品となりました。
全自動化されたはいいものの、当時の炊飯器には保温機能がついておらず、すぐにご飯が冷めてしまう状態だったため、保温ジャーという保温をするための釜に移し替える必要がありました。
その保温の移し替えの必要性をなくしたのが、1972年に発売された長時間保温できる「ジャー 炊飯器」です。電気釜の炊飯機能と保温ジャーの機能を一体化した利便性から、このジャー炊飯器は大ヒット商品となりました。
1979年、マイコン内蔵ジャー炊飯器が発売されます。
マイコンが炊飯量に合わせて火力を調節し、火加減の自動化がなされました。
そして1988年、ついにいまではおなじみのIH式炊飯器が発売。ステンレスとアルミの2層鍋を使用し、電磁誘導加熱で鍋自身が発熱する構造によって、強火の全周均一加熱でご飯をおいしく炊き上げることができるようになりました。
IH式炊飯器の登場から、革新的な進化は遂げていません。
それでも、よりふっくらとおいしく炊き上げるような進化を遂げています。
IHになってから、進化し続けているのは内釜。より高火力を実現するために素材や形状、コーティングにこだわった内釜を採用した高級炊飯器の他に鉄素材や南部鉄器、金属以外の土鍋や本物の炭素材、銅や備長炭などさまざまなコーティング素材のものが、いまのIH炊飯器では主流となっています。
炊飯器の歴史について紹介しました。
お米を主食としている国として、電気釜の登場から約100年、いまも炊飯器は進化をし続けています。
IH式以上に高火力で炊けるなんてことも、将来的にはあるのかもしれません。
この記事でご紹介した内容は、家電製品に関連する一般的な情報をまとめたものであり、全てのメーカー、全ての製品に該当する内容ではございません。また、各メーカーや製品によって定められた取扱方法やメンテナンス方法と異なる対応をした場合は、安全性や品質保証を損なう可能性もございます。詳細はメーカーのサポートセンター、 またはプロの技術者にご相談していただくことを推奨いたします。