2022.07.15
今年は梅雨も早く明けたため、すでに夏本番。
エアコンは夏には欠かせない家電の一つですが、電気代が気になるところです。
電気代の請求はまとめてくるため、エアコンの電気代はいくらかかっているのだろう?と疑問に思っている人も多いでしょう。
そこで今回は、夏にエアコンが占める消費電力や、エアコンの電気代の計算方法、節約するポイントなどをくわしくご紹介します。
家にはさまざまな家電がありますが、どれがどのくらいの消費電力なのか気になりますよね。
夏は、エアコンが占める消費電力が一番多く、全体の約3割。続いて冷蔵庫が約2割、照明が約1割となっています。
(出典元:経済産業省資源エネルギー庁)
エアコンの冷房にかかる電気代を計算する方法は2つあります。消費電力から計算する方法と、期間消費電力量から計算する方法をご紹介します。
消費電力はカタログや取扱説明書を見てみましょう。
エアコンの消費電力は幅があります。そのため、冷房は最小130W~最大880Wといったように記載されているので、以下のような計算方法で1時間あたりの最小の電気代と最大の電気代が算出できます。
「電気代=消費電力(W)÷1000×使用時間(時間)×1kWhあたりの電気料金単価(円/kWh)」
電気料金は、契約会社やプランによって異なるため、ここでは公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が提示している、電力料金の目安単価である27円/kWh(税込)で算出してみると以下の通りです。
130W÷1,000×27円=約 3.5円(1時間あたり/最小)
880W÷1,000×27円=約 23.8円(1時間あたり/最大)
最小で見ると、あまり電気代がかかっていないように見えますが、暑い夏は最大で運転していることの方が多いです。
エアコンは室温と設定温度の差が大きいときに、かなりのパワーを使用するため電気代が高くなります。起動時に一番消費電力が大きくなるので、電源をON/OFFするか、つけっぱなしにするかを見極めると電気代の節約につながります。
エアコンON/OFFのタイミングを見極める方法はのちほどご紹介します。
エアコンには、期間消費電力量も記載しており、こちらも電気代を計算することができます。
期間消費電力とは、エアコンが1年間に消費する電力の目安です。外気温度は東京をモデルとしており、冷房時は27℃、暖房時は20℃、使用時間は6:00~24:00の18時間など、いくつかの条件をもとに算出されています。
エアコンは常に全力で運転しているわけではなく、温度を保つためにパワーを上げたり下げたりしているので、その都度消費電力量が変動します。
そのため、平均的な電力量を測ることが難しいのです。期間消費電力量を目安とすることで、最小値と最大値の平均を出したり、定格消費電力で計算したりするよりも、より正確な数値を導き出せるといわれています。
1年間にかかる電気代の求め方は以下の通りです。
「年間の電気代=期間消費電力量(kWh)×1kWhあたりの電気料金単価(円/kWh)」
こちらも期間消費電力量650kWh、電力料金の目安単価である27円/kWh(税込)で算出してみると以下の通りです。
650kWh×27円=17,550円(年)
外出せず一日中家にいるのであれば、自分でこまめに設定を変えるよりも、つけっぱなしでエアコンにおまかせする方が電気代を節約できます。
自動運転モードは、エアコンがセンサーで感知して、常に快適に過ごせるよう、効率よく運転してくれるからです。
1時間以内の外出などは、こまめに電源をON/OFFするよりも、つけっぱなしにした方が電気代は抑えられる傾向にあります。
電源を切ることで抑えられる電力よりも、再度運転したときの電力の方が消費は多くなるからです。
真夏は数時間から半日でも、つけっぱなしにした方が、電力量が抑えられる可能性があります。
何より帰宅したときに、快適に過ごせるので気分がいいです。
真夏以外はエアコンの電源をOFFにした方がいいでしょう。
日中はずっと外出している場合は、エアコンの電源をOFFにしましょう。
帰宅したときに暑い状態を避けたいという人は、タイマー機能を活用しましょう。また、最近はスマートフォンから遠隔で家電のスイッチを入れることができる機種もありますよ。
真夏など温度が高いときは「冷房」がおすすめ。
除湿をすると湿度が下がることで、体感温度は下がりますが、温度が下がらないと快適とはいえません。熱中症のリスクなども高まります。
除湿は梅雨の時期などに活躍します。雨が続くときは肌寒く感じるので、冷房で温度が下がりすぎると困りますよね。除湿は温度を下げることよりも、湿度を優先的に下げてくれます。
除湿には種類があります。湿度を下げてそのまま室内へ空気を戻す「弱冷房除湿」。湿度を下げたあとにちょうどいい温度に温めてから室内へ空気を戻す「再熱除湿」。湿度を下げて、部屋の空気と混ぜてから室温に近づけて空気を戻す「ハイブリッド除湿」。
ちなみに「冷房」「弱冷房除湿」「再熱除湿」「ハイブリッド除湿」の4つの電気代を比較してみると、一番電気代がかかるのは、「再熱除湿」。一度冷却した空気を温めて戻すため、電気代が高くなるのです。
次に「冷房」。そして一番電気代のかからない「弱冷房除湿」と「ハイブリッド除湿」は同じくらいです。
ただし、部屋の広さや運転時間、その日の温度や湿度によって電気代は変化します。
暑い日に無理して高い温度設定にする必要はありませんが、設定温度を低くしすぎないことが電気代の節約に繋がります。
エアコンの種類、外気温度や設定温度、運転時間にもよりますが、設定温度を1℃上げるだけでも、年間で1,000円近くの節約になることも。
冷房の場合、自分の感覚で温度を調整するよりも、自動運転モードを利用した方が、効率よくこまめな温度調整をしてくれるので、節電につながります。
冷たい空気は下にたまるので、扇風機やサーキュレーターを併用し、空気を循環させるのも効果的。
扇風機は身体に風が当たるので体感温度が下がり、冷房の設定温度を低くしなくても涼しく感じられ、節電になるのです。
フィルターは使用状況にもよりますが、2週間に1回を目安に掃除をしましょう。最低でも月に1回は掃除をするように心がけてください。
フィルターにホコリなどの汚れがついていると、空気の通りが悪くなり、冷やす機能が低下するので余計な電気代がかかってしまいます。また、電気代がかかるだけではなく、カビが繁殖し、室内に空気と一緒にカビの胞子が排出され、アレルギーの原因になることもあるので要注意です。
室外機の周りにものを置いたり、ホコリやゴミが溜まってしまったりすると、熱をうまく放出することができず、運転効率が下がってしまいます。
最悪の場合、故障につながることもあるので、室内機のみならず室外機にも気を配りましょう。
エアコンは夏の電気代の3割を占めます。消費電力の多い家電は、使用を控えることで大幅な節約にもつながりますが、暑いのを我慢しすぎるのは熱中症の危険性などもあるのでNG。
エアコンの電源のON/OFFのタイミングを見極めたり、自動運転モードを活用したり、上手に使っていきましょう。
また、こまめな掃除や室外機の手入れなど、効率のいい運転ができるように心がけることも大切です。無理のない範囲で、電気代を節約していきましょう。
この記事でご紹介した内容は、家電製品に関連する一般的な情報をまとめたものであり、全てのメーカー、全ての製品に該当する内容ではございません。また、各メーカーや製品によって定められた取扱方法やメンテナンス方法と異なる対応をした場合は、安全性や品質保証を損なう可能性もございます。詳細はメーカーのサポートセンター、 またはプロの技術者にご相談していただくことを推奨いたします。