2024.11.29
冬は乾燥するから、当たり前のように加湿器を置いているけど、いまいち効果がわからない、実感したことがないという人も多いのでは?
自分にとってあまり効果がないのであれば、加湿器を置く場所も必要で、お手入れも面倒だしなくてもいいのではないかと考えている人もいるかもしれませんね。
そこで今回は、加湿器のさまざまな効果や加湿器の種類別のメリットとデメリット、正しい使い方などをくわしく解説します。
寒い季節になると、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかる人が増えるイメージがありませんか?
空気が乾燥すると、ウイルスや花粉などが飛散しやすくなります。
さらに、温度が低くなるので防御機能も低下。のども乾燥し、ウイルスを除去する動きがにぶくなるため、風邪をひきやすくなってしまいます。
湿度が40%以下になるとウイルスが活性化するため、加湿して55~60%程度に保つことで予防効果が期待できるのです。
湿度が低くなると、髪や肌に含まれている水分も空気中に放出されてしまいます。
ヘアケアやスキンケアをして保湿することも欠かせませんが、部屋の加湿を行うことで、髪のパサつきや肌荒れなどのトラブルを回避できます。
夏よりも冬の方が、静電気が起きやすいですよね。静電気も乾燥が原因です。
湿度が高いと空気中の水分を通して放電できますが、低いと帯電してしまうため、触れたときにバチッと静電気が起こるのです。
加湿することで放電されるため、静電気の発生も抑えることができます。
加湿器は主に4種類。それぞれの加湿方式の違いと、メリットとデメリットをご紹介します。
4タイプの違いの選び方に関しては下記の記事で解説しているので、参考にしてみてください。
気化式タイプの加湿器は、フィルターに水を含ませて、ファンで風を当て、気化した水蒸気で加湿します。
熱を使用しないため、電気代を安く抑えられることがうれしいポイント。また、小さな子どもがいる家庭でも、やけどの心配がないので安心です。
デメリットは、熱を使用しないので、他の加湿方式の加湿器とくらべると、加湿に時間がかかること。本体も大きく、運転音が気になることもあります。また、カビや雑菌も繁殖しやすいため、フィルターや水タンクなどはこまめなお手入れが必要です。
スチーム式タイプの加湿器は、ヒーターで水を沸騰させ、蒸気をファンの風で室内に送り出すことで加湿します。
スピーディーに広範囲を加湿できるのがメリット。水を沸騰させるので、雑菌の繁殖を抑えられ、衛生面が気になるという人におすすめです。
ただし、水を沸騰させるため消費電力が大きく、電気代が気になるところ。水蒸気も熱いので、小さな子どもやペットがいる家庭は置く場所を工夫しなくてはなりません。
超音波式タイプの加湿器は、超音波の振動で水を霧状に発生させることで加湿します。
霧状に発生させる特性を活かして、アロマオイルなど香りを一緒に楽しめる機種もあります。
本体がコンパクトで置きやすく、静音性にも優れています。安価で手に入るのもうれしいですね。
ただし、水が霧状に発生するため、置く場所によって結露を起こすことも。
また、気化式と同じく超音波式タイプの加湿器も、熱を使用しないので、カビや雑菌が繁殖しやすいのがデメリット。お手入れはこまめに行いましょう。
ハイブリッドタイプの加湿器は2種類。
「気化式」にヒーターの機能がついたものと、「超音波式」にヒーターの機能がついたものがあります。
ヒーターが搭載されているため、温風で素早く加湿できるというメリットがあります。気化式のハイブリットタイプはスチーム式よりも温風が熱くならないので安心。
デメリットとしては、ハイブリット式は価格が高めで、ヒーターを使用するため電気代がかかってしまうことは避けられません。
加湿器の効果を最大限に発揮するためには、部屋の広さに合わせた加湿器を選ぶことが大切です。加湿方式だけではなく「定格加湿能力」や「適用床面積」もチェックしましょう。
定格加湿能力とは、室温20℃で湿度が30%のときに放出できる1時間あたりの水分量のこと。mL/hという単位で表されます。この数字が大きいほど、広い範囲を加湿することができます。この定格加湿能力をもとに、日本電機工業会規格では適用床面積が決められています。
建物のタイプによって多少異なりますが、目安として5~8畳なら300ml、10畳以上なら500~700ml、20畳以上なら1,000ml以上のものを選びましょう。
暖房を強くつけることが多い、乾燥がひどく、悩んでいるという場合は、適用床面積に合わせた加湿器を常にフル稼働させるよりも、一つ上のクラスの加湿器を選ぶといいですよ。
「朝起きたら、乾燥のせいで鼻やのどが痛かった」という経験がある人も少なくありません。そのため、寝室で加湿器を使いたい人も増えています。
寝室ではできるだけ寝具の近くに置かないようにしましょう。寝具が湿ってしまい、カビやダニが繁殖してしまう恐れがあるからです。
エアコンなどの暖房を使用している場合は、エアコンの風が通る空気が循環する場所に置いておくと、効率よく加湿ができます。
また、よっぽど乾燥している場合は別ですが、なるべく加湿量を低くするようにしましょう。
床が濡れていたり、窓が結露していたりする場合は、加湿のしすぎです。
寝るときに加湿器を切ると乾燥してしまい、朝まで加湿すると湿度が高くなってしまうという場合は、タイマーがついている加湿器を選ぶ、または自動で加湿量を調整してくれるものにするといいですよ。
寝具が濡れてしまうのは避けたいところですが、コンセントや置く場所の関係上、枕元に加湿器を置きたい人も多いでしょう。
枕元が濡れるとカビなどの原因になったり、加湿器から出る水分が直接肌に触れると蒸発するときに肌の水分も奪われてしまうため、枕元で使用する場合は気化式でコンパクトなものがおすすめです。
リビングは広いため、効率よく加湿するためには、背の高いタイプの加湿器を選び、空気が循環しやすい部屋の中央に置くことがポイント。
エアコンを使用している場合は、風の通り道に設置するのがおすすめです。
窓や壁、出入り口の近くはNG。また、水に弱い家電や木製の家具の近くもできれば避けた方がいいでしょう。
オフィス全体を加湿したいときは、リビング同様に背の高いタイプの加湿器を選び、空気が循環しやすい中心付近に加湿器を置きましょう。
デスク周りだけでいい場合は、卓上タイプもおすすめ。ただし、パソコンなどの精密機器や書類が濡れないように注意してください。
加湿器をより効果的に使うために、お手入れは欠かせません。
掃除をしなくても加湿できているから大丈夫と安心していると、思わぬトラブルにつながることも。加湿器のお手入れ方法をしっかりとチェックしておきましょう。
加湿器の水は、毎日必ず入れ替えましょう。継ぎ足ししてはいけません。
まだ水が残っているからといって、そのまま数日間使っていると、雑菌やカビが繁殖する原因になります。雑菌やカビが含まれた水蒸気が部屋中に広がることになるので、加湿されてもカビによるアレルギーを起こすなど健康被害を受けることも。
また、加湿器には水道水を使いましょう。ミネラルウォーターなどには塩素が含まれていないため、雑菌やカビがさらに繁殖しやすくなってしまいます。
気化式は雑菌やカビが発生しやすいため、こまめなお手入れを心がけましょう。1ヶ月に1回が目安です。
タンクは少量の水を入れて、フタをして振ります。汚れが気になるときは、中性洗剤を入れて振り洗いをし、洗剤が残らないようによくすすぎましょう。
外側のパネル付きのフィルターは掃除機でほこりを吸い取ります。内側の加湿フィルターは水洗いをしましょう。汚れがひどいときは、クエン酸で1時間程度つけ置き洗いがおすすめです。
スチーム式は煮沸消毒されるため、雑菌やカビの繁殖はあまりないですが、タンクに汚れがつくことは避けられません。
毎日水を変え、汚れが気になるときは、気化式と同じく中性洗剤を入れて振り洗いをし、洗剤が残らないようによくすすぎましょう。
超音波式は水がそのまま霧状になって放出されます。そのため、雑菌やカビが含まれた粒子を部屋に広げないよう、タンクのお手入れが欠かせません。
お手入れ方法は気化式やスチーム式と同じです。タンクは少量の水を入れて、フタをして振ります。汚れが気になるときは、中性洗剤を入れて振り洗いをし、細かい汚れが気になるときは、歯ブラシやスポンジを使って洗いましょう。こちらも洗剤が残らないように、よくすすいでください。
ハイブリッド式も煮沸消毒されるため、雑菌やカビの繁殖はあまり心配ありません。
外側のパネル付きのフィルターは掃除機でほこりを吸い取り、タンクも他のタイプと同じく洗いましょう。
加湿器は乾燥を防ぐことで、風邪の予防や髪の乾燥や肌トラブルなどの回避、静電気を抑える効果などが期待できます。
加湿器には種類があるので、自分の生活環境にあったものを選びましょう。使う場所によって、加湿器を置く場所も工夫してくださいね。
また、お手入れしないで加湿器を使っていると、乾燥は防げても雑菌やカビを部屋中にばらまいてしまうことも。日頃からこまめなお手入れを心がけましょう。
この記事でご紹介した内容は、家電製品に関連する一般的な情報をまとめたものであり、全てのメーカー、全ての製品に該当する内容ではございません。また、各メーカーや製品によって定められた取扱方法やメンテナンス方法と異なる対応をした場合は、安全性や品質保証を損なう可能性もございます。詳細はメーカーのサポートセンター、 またはプロの技術者にご相談していただくことを推奨いたします。