2022.06.01
寒い季節は加湿器で湿度を上げることが大切と聞き、なんとなくつけているけど効果がイマイチわからない…という人も多いのではないでしょうか。
冬でも加湿器をつけるメリットがないのであれば、電気代もかかり、お手入れも面倒なのでつけたくないですよね。
今回は、加湿器をつけないとどんな現象が起こるのかくわしく解説します。加湿器の種類別にメリットやデメリット、加湿器をより効果的に使う方法などもご紹介するので、チェックしてみてください。
空気が乾燥していると、ウイルスや花粉などが空気中に舞いやすくなります。
私たちの身体は、口や鼻の粘膜に生えている繊毛がウイルスなどの侵入を防ぐ役割をしています。しかし、乾燥することで、この繊毛も乾いてしまうので機能が低下。
ウイルスが体内に入りやすい環境となってしまうため、風邪やインフルエンザを発症しやすくなるのです。
空気が乾燥することで髪や肌へのダメージも。髪や肌にとって最適な湿度は、60%といわれています。
健康的な髪や肌は元々水分が含まれていますが、空気が乾燥していると、どんなにケアしても奪われてしまうのです。
水分が奪われることで、髪からはうるおいがなくなり、肌はシワやくすみができやすく、かゆみなどのトラブルが起こることも。美容にも加湿器は欠かせない存在です。
摩擦などが原因で起こる静電気。
空気中に水分があると放電されやすいですが、乾燥していると帯電が起こりやすく、バチッと痛みを伴う不快な静電気が発生しやすくなります。
加湿器は主に4種類。それぞれの加湿方式の違いと、メリットとデメリットをご紹介します。
気化式タイプの加湿器は、フィルターに水を含ませて、ファンで風を当て、気化した水蒸気で加湿します。
熱を使用しないため、電気代を安く抑えられることがうれしいポイント。また、小さな子どもがいる家庭でも、やけどの心配がないので安心です。
デメリットは、熱を使用しないので、他の加湿方式の加湿器とくらべると、加湿に時間がかかること。本体も大きく、運転音が気になることもあります。また、カビや雑菌も繁殖しやすいため、フィルターや水タンクなどはこまめなお手入れが必要です。
スチーム式タイプの加湿器は、ヒーターで水を沸騰させ、蒸気をファンの風で室内に送り出すことで加湿します。
スピーディーに広範囲を加湿できるのがメリット。水を沸騰させるので、雑菌の繁殖を抑えられ、衛生面が気になるという人におすすめです。
ただし、水を沸騰させるため消費電力が大きく、電気代が気になるところ。水蒸気も熱いので、小さな子どもやペットがいる家庭は置く場所を工夫しなくてはなりません。
超音波式タイプの加湿器は、超音波の振動で水を霧状に発生させることで加湿します。
霧状に発生させる特性を活かして、アロマオイルなど香りを一緒に楽しめる機種もあります。
本体がコンパクトで置きやすく、静音性にも優れています。安価で手に入るのもうれしいですね。
ただし、水が霧状に発生するため、置く場所によって結露を起こすことも。
また、気化式と同じく超音波式タイプの加湿器も、熱を使用しないので、カビや雑菌が繁殖しやすいのがデメリット。お手入れはこまめに行いましょう。
ハイブリッドタイプの加湿器は2種類。
「気化式」にヒーターの機能がついたものと、「超音波式」にヒーターの機能がついたものがあります。
ヒーターが搭載されているため、温風で素早く加湿できるというメリットがあります。気化式のハイブリットタイプはスチーム式よりも温風が熱くならないので安心。
デメリットとしては、ハイブリット式は価格が高めで、ヒーターを使用するため電気代がかかってしまうことは避けられません。
加湿器の効果を最大限に発揮するためには、部屋の広さに合わせた加湿器を選ぶことが大切です。加湿方式だけではなく「定格加湿能力」や「適用床面積」もチェックしましょう。
定格加湿能力とは、室温20℃で湿度が30%のときに放出できる1時間あたりの水分量のこと。mL/hという単位で表されます。この数字が大きいほど、広い範囲を加湿することができます。この定格加湿能力をもとに、日本電機工業会規格では適用床面積が決められています。
建物のタイプによって多少異なりますが、目安として5~8畳なら300ml、10畳以上なら500~700ml、20畳以上なら1,000ml以上のものを選びましょう。
暖房を強くつけることが多い、乾燥がひどく、悩んでいるという場合は、適用床面積に合わせた加湿器を常にフル稼働させるよりも、一つ上のクラスの加湿器を選ぶといいですよ。
加湿器は空気が循環する場所に置くといいでしょう。
エアコンを使用しないときは部屋の中央がおすすめ。エアコンを使用する場合は、真下など吸入口に置くことで水蒸気を部屋に広げることができます。
加湿器にエアコンの温風が当たる場所はNG。センサーが誤作動を起こすこともあるので気をつけましょう。
加湿器はテーブルや家具の上など、床から30cm以上離して置きましょう。
風量が大きい加湿器は空気の循環ができるため、床に置いても問題はありませんが、コンパクトなタイプは、冷たい空気が下に行くため、湿度を高めに判定してしまうことが多く、十分な加湿をすることができません。
窓際や壁側は、カビが発生したり、結露してしまう可能性が高いため避けましょう。
出入口近くも空気の出入りが激しく、加湿された空気がすぐに外に出てしまうため、部屋全体に行きわたりません。換気扇の真下もNGです。
加湿器をより効果的に使うために、お手入れは欠かせません。
掃除をしなくても加湿できているから大丈夫と安心していると、思わぬトラブルにつながることも。加湿器のお手入れ方法をしっかりとチェックしておきましょう。
加湿器の水は、毎日必ず入れ替えましょう。継ぎ足ししてはいけません。
まだ水が残っているからといって、そのまま数日間使っていると、雑菌やカビが繁殖する原因になります。雑菌やカビが含まれた水蒸気が部屋中に広がることになるので、加湿されてもカビによるアレルギーを起こすなど健康被害を受けることも。
また、加湿器には水道水を使いましょう。ミネラルウォーターなどには塩素が含まれていないため、雑菌やカビがさらに繁殖しやすくなってしまいます。
気化式は雑菌やカビが発生しやすいため、こまめなお手入れを心がけましょう。1ヶ月に1回が目安です。
タンクは少量の水を入れて、フタをして振ります。汚れが気になるときは、中性洗剤を入れて振り洗いをし、洗剤が残らないようによくすすぎましょう。
外側のパネル付きのフィルターは掃除機でほこりを吸い取ります。内側の加湿フィルターは水洗いをしましょう。汚れがひどいときは、クエン酸で1時間程度つけ置き洗いがおすすめです。
スチーム式は煮沸消毒されるため、雑菌やカビの繁殖はあまりないですが、タンクに汚れがつくことは避けられません。
毎日水を変え、汚れが気になるときは、気化式と同じく中性洗剤を入れて振り洗いをし、洗剤が残らないようによくすすぎましょう。
超音波式は水がそのまま霧状になって放出されます。そのため、雑菌やカビが含まれた粒子を部屋に広げないよう、タンクのお手入れが欠かせません。
お手入れ方法は気化式やスチーム式と同じです。タンクは少量の水を入れて、フタをして振ります。汚れが気になるときは、中性洗剤を入れて振り洗いをし、細かい汚れが気になるときは、歯ブラシやスポンジを使って洗いましょう。こちらも洗剤が残らないように、よくすすいでください。
ハイブリッド式も煮沸消毒されるため、雑菌やカビの繁殖はあまり心配ありません。
外側のパネル付きのフィルターは掃除機でほこりを吸い取り、タンクも他のタイプと同じく洗いましょう。
加湿器は冬に欠かせない家電です。
効果がわからず、なんとなく使っていたという人も使用をやめてしまうと、風邪を引きやすくなったり、髪や肌に不調が表れたりすることがあります。
加湿器をより効果的に使うには、部屋の広さにあったものを選択し、置き場所にも工夫が必要です。また、お手入れを怠ると、加湿器の能力が十分に発揮できないため、タイプに合わせてこまめなお手入れを心がけましょう。