2023.05.31
電気代も上がっているので、できるだけ節約したいと思っても、暑い夏にエアコンの使用は避けられません。冷房の温度はどのくらいに設定するのがベストなのでしょうか。
電気代を節約したいと思い、体調を崩してしまっては、元も子もありません。
そこで今回は、エアコンの冷房は何度に設定すべきなのか、快適に過ごすポイントも含めてくわしく解説します。
環境省が推進している、クールビスの適切な室温は「28℃」。
「建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令」と、労働安全衛生法の「事務所衛生基準規則」が定めている室温が17~28℃であることから決められた温度です。
これは、エアコンの温度を28℃に設定するわけではなく、室温が28℃になるように管理をしようという意味です。
室温を28℃にするには、冷房の設定は何度にすべきなのか迷ってしまいますよね。
国が定めている適切な室温は28℃ですが、あくまでも目安であり、建物の状況や周りから受ける熱の影響、体感温度の違いなどにより、設定温度は変わってきます。
例えば、日差しがよく入る西日が強い部屋は冷房が効きにくく、28℃の設定では暑いと感じることも。空調設備の機能によっても、28℃の設定ではちょうどいい室温にならないときもあります。
さらに、オフィスでは、パソコンやプリンターなどのOA機器の熱によって、室温が上昇することも考えられます。
また、温度の感じ方には個人差があるため、体調に考慮しながら、自分にとって快適に過ごせる温度設定にしましょう。
冷房温度は1℃上げると、消費電力を13%削減できるといわれています。快適に過ごせる温度に設定するといっても、電気代が高くなりすぎるのは避けたいところです。
電気代が気になる人は冷房を1℃上げて、少し薄着をする、ひんやりグッズを活用するなど、工夫してみるといいでしょう。
ちなみに、暖房の場合は、1℃下げることで消費電力を10%削減できます。
エアコンを使用するときは、自動運転がおすすめ。
エアコンはこまめに電源をON/OFFしたり、弱い運転にしたりと、自分で調整を行った方が快適に過ごせるのではないかと考える人も少なくありません。
しかし、最初から弱い運転を続けていると、なかなか室温が下がらず時間がかかるため、電気代が高くなることも。
電源を入れてから設定温度までは強い運転、設定温度になってからは保つために弱い運転に切り替えることがベストです。
自分で切り替えなくても、自動運転にまかせれば、このベストな運転を行ってくれます。
また、最近のエアコンの機能はどんどん高性能になっており、部屋にいる人数を感知して最適な室温にしてくれるので、自動運転は快適に過ごせるだけではなく、省エネ効果も期待できるのです。
冷たい空気は下に行く性質があります。そのため、エアコンの風向きは水平にしましょう。
足元だけ涼しくなってしまい、エアコンの風向きだけでは調整が難しい場合は、扇風機やサーキュレーターを併用すると、空気が循環してくれるので、活用してみるといいですよ。
夏だけではなく、冬も扇風機やサーキュレーターの併用はおすすめ。暖かい空気が上にたまるので、扇風機やサーキュレーターで空気を循環させると、部屋の温度が均一になります。
真夏に窓を閉めて長時間外出したときなど、室温と湿度が高く熱気がこもっている場合は、一度窓を開けて換気をしてから冷房をつけましょう。
熱気がこもったままエアコンをつけると、フルパワーでの運転時間が長くなり、電気代が高くなります。室温が高くなりやすい部屋は、昼間もカーテンを閉めて出かけるといいでしょう。
フィルターの掃除は、2週間に1回を目安に定期的に行いましょう。エアコンの熱交換器には、空気を取り込む際にゴミやホコリが入らないようにフィルターがついています。
このフィルターにゴミやホコリがついたまま放置していると、空気をスムーズに取り込めないため、室内を適温にするのに無駄な力を使うことになり、消費電力がかかります。
また、熱交換器にもフィルターで取り切れなかったホコリやゴミが付着するため、こちらはシーズンオフの際に、専門業者にクリーニングを依頼するといいでしょう。
夏の適切な室温は「28℃」ですが、これはエアコンの設定温度の目安ではありません。エアコンの冷房は、建物の環境や体感温度により、理想の設定温度が異なります。
28℃にこだわりすぎず、無理なく快適に過ごせる温度に設定しましょう。
ただし、電気代を節約したいのであれば、低すぎる温度設定はおすすめできません。設定温度を1℃上げると約13%の消費電力削減になるからです。
快適に過ごすには、自動運転を活用したり、エアコンの掃除をこまめに行ったり、ちょっとした工夫をしてみてくださいね。
この記事でご紹介した内容は、家電製品に関連する一般的な情報をまとめたものであり、全てのメーカー、全ての製品に該当する内容ではございません。また、各メーカーや製品によって定められた取扱方法やメンテナンス方法と異なる対応をした場合は、安全性や品質保証を損なう可能性もございます。詳細はメーカーのサポートセンター、 またはプロの技術者にご相談していただくことを推奨いたします。