2023.07.24
見た目はきれいに見える洗濯機でも、嫌なニオイがすることがあります。洗濯機から嫌なニオイがすると感じたときは、そのまま放置してはいけません。
悪臭のする洗濯機で洗濯物を洗っても、きれいにならない可能性があるからです。
そこで今回は、洗濯機から嫌なニオイがする原因と対処方法をくわしくご紹介していきます。
いつもきれいな水や洗剤が流れている洗濯機。見た目はきれいでも、洗濯機から嫌なニオイがする主な原因は「カビ」です。
洗濯物に付着していた皮脂や食べカス、ホコリ、そして溶けきらずに残ってしまった洗剤を栄養として、カビが繁殖します。
洗濯槽の裏側は凹凸が多く、汚れがたまりやすいのです。
温度や湿度も高い上に、栄養分が豊富な洗濯機は、カビや雑菌が住みやすい環境といえます。
洗濯槽のカビには「洗濯槽クリーナー」で定期的な掃除がおすすめです。洗濯機の使用頻度にもよりますが、月に1回が目安です。
洗濯槽クリーナーには、種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
塩素系クリーナーは、洗濯機の槽洗浄コースまたは通常のコースで洗濯機を回すだけで、掃除が終了します。
手間もかからず、殺菌力も高いことが魅力的な塩素系クリーナーですが、すすぎ残しがあると、衣類の色落ちなど傷める可能性があるので気をつけなくてはなりません。
また、酸性のものと混ざると、有毒ガスが発生するため、他の洗剤などと一緒に使わないようにしてください。
ドラム式洗濯機は、次に紹介する酸素系クリーナーは使用できないため、塩素系クリーナーを使いましょう。
塩素系特有のニオイが苦手、衣類へのダメージを減らしたいという人は、酸素系クリーナーがおすすめ。
塩素系クリーナーより多少洗浄力は劣りますが、泡立ちがよくカビをしっかりと剥がしてくれます。
ただし、洗濯槽に汚れが浮いてくるので、酸素系クリーナーはゴミを自分で取らなければならないという手間がかかります。
ドラム式の洗濯機は途中で開けることができず、開けられても水をたっぷりとためることができないため、ゴミを取らなければならない酸素系クリーナーは使用できません。
さまざまな掃除に活躍する重曹ですが、洗濯機の掃除には向きません。
重曹は洗浄力が弱いため、雑菌やカビをしっかりと落とすことができず、洗濯槽を綺麗にするには大量の重曹が必要になります。
重曹は水に溶けにくい性質があるため、大量に入れると溶け残りが発生し、洗濯槽の穴に詰まってしまうことも。
同じくクエン酸も、雑菌やカビまで落とす力がないため、洗濯槽の掃除には不向き。また、クエン酸は酸性なので、洗濯機の部品を劣化させてしまう危険性もあります。
洗濯槽をしっかり掃除しても、カビではなく、下水のようなニオイがするときは、排水トラップが原因かもしれません。
排水トラップとは、排水管の途中に設置された、下水のニオイが上がってこないようにしているものです。下水のようなニオイがする原因と対処法をくわしく見ていきましょう。
下水のようなニオイがする場合は、そもそも排水トラップがついていないという可能性もあります。ついていない場合は、家電量販店やホームセンターなどで購入しましょう。
排水トラップがついていても臭うときは、排水トラップの中に水がたまっていない可能性が考えられます。
排水トラップの内部にたまっている水は、封水と呼ばれており、下水のニオイが上がらないように蓋の役割をしています。
排水口を開けて、排水トラップを取り外すと、コップのようなものがついているので、そちらに水が少ない場合は足しておくといいでしょう。
排水トラップに水が入っているのに臭うという場合は、汚れが原因です。排水トラップの掃除を行いましょう。
1.排水トラップを外し、コップの部分に重曹を入れます。水が入ったままでOKです。続けて酢も入れると泡立ちます。このまま15分ほど放置しましょう。
2.15分放置している間に、取り外した排水トラップをバケツや洗面器に入れて、歯ブラシでこすり洗いをします。
3.15分経ったら、バケツや洗面器に水を入れて、泡がなくなるまでしっかりと洗い流します。洗面器に2杯分くらいが目安です。
4.取り外した部品を元に戻せば、掃除は終了です。
ニオイが気になるからといって、寿命を迎える前に洗濯機の買い替えは避けたいですよね。
洗濯槽クリーナーを使用したり、排水トラップを確認したりしても、洗濯機のニオイが取れないという場合は、プロに相談するのも一つの手です。
残念ながら、市販の洗濯槽クリーナーですべての汚れを落とせるわけではありません。
洗濯槽の裏にたまった汚れをきれいに落とすのは、素人には難しいものです。プロに依頼して、洗濯機を分解して洗浄してもらいましょう。
定期的な掃除は欠かせませんが、洗濯機から嫌なニオイをさせないために、日頃から気をつけたいことがあります。
誰にでも簡単にできる、洗濯機の嫌なニオイの予防法をチェックしましょう。
洗濯槽を洗濯かご代わりに使用するのはNG。雑菌がどんどん繁殖し、ニオイの原因となります。
洗濯物は洗濯かごに入れて、洗う直前に洗濯機へ入れましょう。
また、洗濯が終わったら、放置せずにすぐに衣類を取り出しましょう。長時間放置していると、雑菌やカビが繁殖するだけではなく、せっかく洗った衣類にシワができてします。
お風呂の残り湯を活用したいという人も多いですが、すすぎに使用してはいけません。
残り湯を使うのは「洗い」のときだけにしましょう。なぜなら、残り湯には雑菌がいるからです。すすぎは必ず新しい水で行ってくださいね。
ドラム式乾燥機は、乾燥まで使うことで、洗濯槽にも湿気が残りにくく、カビを防ぐことができます。
洗濯表示を確認し乾燥機が使える衣類は、脱水だけではなく乾燥機能を使ってみましょう。
洗濯機を使用したあとに蓋を閉めてしまうと、湿度が高くなってしまうので、カビや雑菌が繁殖しやすい環境を作ってしまいます。
洗濯機を運転しないときは、蓋を開けておきましょう。
小さなお子さんやペットがいて「勝手に入ってしまわないか心配」というときは、蓋を閉めるときにタオルを挟み、隙間を作るだけでも効果はありますので、試してみてください。
洗濯機の嫌なニオイが衣類にもついてしまったときは、どうしたらいいのでしょうか?正しい対処方法を確認しておきましょう。
何度洗ってもニオイがなかなか取れない衣類やタオルなどは、煮洗いをしましょう。大きく深めの鍋(ホーローまたはステンレス)にお湯を沸かし、衣類やタオルを10分以上煮ます。
鍋から取り出すときは熱いので、トングに巻き付けるといいでしょう。
ニオイだけではなく、衣類の黄ばみなどの汚れが気になるときは、重曹や粉石けんなどを使用するのもおすすめ。煮沸するときは、アルミの鍋はNG。重曹やアルカリ性洗剤を使ってしまうと、腐食してしまうからです。
また、煮沸洗いはタオルや布巾、Tシャツなど綿100%のものだけにした方がいいですよ。色が濃いものやプリントのあるシャツなどは、色落ちや傷む可能性が高いです。
ポリエステル素材のワイシャツは煮洗いするとシワになり、アイロンでも取れないためやめましょう。
煮洗いできないものは、40~50℃のお湯に浸けるだけでも、カビや雑菌の栄養となってしまう皮脂汚れが落ちやすくなるので、ニオイが防げます。
洗濯を干したときに、消臭スプレーを使うのもおすすめ。
消臭スプレーは、ニオイの原因となる雑菌に効果のある「除菌タイプ」を選ぶことがポイントです
カビや雑菌は湿った場所を好みます。
洗濯機に乾燥機能がついているときは、すぐに乾燥することで高温殺菌することができるので洗濯物のニオイを防止する効果が期待できます。ついていない場合はコインランドリーの乾燥機もおすすめです。
とくに湿度の高い梅雨や夏場などは、ニオイを防ぐためにも乾燥機を活用してみましょう。
洗濯機から嫌なニオイがするときの主な原因は「カビ」です。
定期的に洗濯層クリーナーで掃除を行いましょう。重曹やクエン酸は、人にも環境にも優しいものですが、洗濯機の頑固な汚れをしっかり落とせるほどの洗浄力はありません。
重曹が洗濯槽の穴に詰まったり、クエン酸は金属製の部品を劣化させたりする可能性があるため、使用しない方がいいでしょう。
下水のようなニオイがするときは、排水トラップが原因の可能性もあります。
さまざまな改善方法を試しても、洗濯機のニオイが取れないときは、プロに依頼するのもおすすめ。
また、日頃から洗濯機のニオイを防ぐためにも、洗濯かご代わりに洗濯槽を使用しない、使用後は蓋を開けておくなどの工夫をしてみてください。
この記事でご紹介した内容は、家電製品に関連する一般的な情報をまとめたものであり、全てのメーカー、全ての製品に該当する内容ではございません。また、各メーカーや製品によって定められた取扱方法やメンテナンス方法と異なる対応をした場合は、安全性や品質保証を損なう可能性もございます。詳細はメーカーのサポートセンター、 またはプロの技術者にご相談していただくことを推奨いたします。