いろいろな場所の掃除に使用できる重曹

自然由来の成分なので、食べ物を扱うキッチンの掃除にも安心ですよね。安価で手に入りやすいのもうれしいポイントです。

肌に触れる衣類を洗濯するときも、重曹が使用できたら…と考えている人もいるのでは？

そこで今回は、そもそも重曹とは何なのか、洗濯に使うとどのようなメリットがあるかなどをくわしく解説していきます。

1.重曹とは？

重曹は、お菓子作りに使用するベーキングパウダーにも含まれていますが、掃除に活用されることも多く、環境や肌にも優しい便利なアイテムです。

炭酸水素ナトリウムや重炭酸ソーダと呼ばれることもあります。まずは、重曹の特徴や種類を見ていきましょう。

1-1.重曹の特徴

重曹は、酸と混ざると二酸化炭素が気泡化するので、膨張作用や発泡作用があります。水に溶かすと弱アルカリ性になるため、酸性を中和します。

また、粒子が細かいため、研磨作用も。消臭作用や吸湿作用があるのも、掃除に適している理由の一つです。

1-2.重曹の種類

重曹には種類があります。食用・薬用・工業用の3つです。それぞれの特徴を見ていきましょう。

食用の重曹

食品衛生法に基づき作られており、純度は98～99％となっています。きめ細かくさらさらとしています。

お菓子や天ぷらなどの膨張剤として使用されたり、肉を柔らかくしてくれたり、山菜や根菜類のあく抜きなど料理の下ごしらえにも活躍します。

薬用の重曹

薬品の取り扱いを許可された場所で作られた純度100％のもの。第3類医薬品とされており、3つの中で一番高価な重曹です。

歯磨き粉や入浴剤に含まれています。また、消化の働きを助ける効果が期待できるため、胃薬として服用する人もいるようです。

工業用の重曹

食品衛生法や薬品の取り扱いの許可などの規制がない環境で作られた重曹です。

純度は95～98％。不純物が多いため、口に入れたり、肌につけたりする目的では使用しない方がいいでしょう。3つのうち一番安価で、主に掃除用として使用されます。

2.重曹を洗濯に使用するメリット

重曹は掃除だけではなく、洗濯にも活用できます。どのようなメリットがあるのでしょうか？

2-1.皮脂汚れなど、酸性の汚れに強い

重曹は水に溶かすと、弱アルカリ性になり、酸性を中和させるので、皮脂汚れを落とすのに効果的といわれています。

皮脂汚れは、残ってしまうと黄ばみの原因になるため、重曹できれいに落とせるのはうれしいですね。

2-2.消臭効果がある

重曹には、消臭効果があります。衣類のニオイを取るだけではなく、雑菌の繁殖も抑えてくれるので、生乾きのニオイの心配も解決してくれます。

部屋干しが多くなる季節も安心です。

2-3.肌や環境に優しい

重曹は肌や環境にも優しい、自然由来の成分でできています。自然界にも存在するものなので、そのまま流しても海や川の水を汚すことはありません。

漂白効果もあるため、漂白剤代わりに使用するのもおすすめです。また、重曹には柔軟剤のように柔らかく仕上げる効果も。

敏感肌の方や赤ちゃんの衣類を洗うときは、重曹を使用してみるといいでしょう。

3.重曹を使った洗濯方法

重曹をより効果的に使うために、正しい洗濯方法を見ていきましょう。

3-1.洗濯洗剤と混ぜて使用する

重曹だけでは洗浄力が弱いため、洗濯洗剤と混ぜて使用しましょう。

重曹を使うときは、先に洗濯機にお湯で溶かした重曹と洗濯洗剤を入れます。重曹のあとに洗濯洗剤を入れることで、水が柔らかくなり、泡立ちがよくなります。

しっかりと重曹と洗濯洗剤が溶けていることを確認してから、洗濯物を入れましょう。先に洗濯物を入れると、重曹がダマになり、衣類に残ってしまう可能性があります。

あとは通常どおり洗濯機を運転するだけです。

3-2.重曹ペーストで部分洗い

頑固な汚れには、重曹ペーストで部分洗いがおすすめ。

容器に重曹を入れて、ぬるま湯を少しずつ加え、ペースト状にします。あとは気になる汚れに塗り込むだけです。

さらにその上から、洗濯洗剤を数滴たらしてしみ込ませ、30分ほど経ったらいつも通り洗濯機で洗うだけ。

シャツの襟や袖などの皮脂汚れや、食べこぼしによる油ジミなどもすっきり落とせます。

4.洗濯に重曹を使うときの注意点

4-1.必ずぬるま湯で使う

重曹で洗濯をするときは、必ずぬるま湯を使用しましょう。

冷たい水を使用すると、溶け残りができてしまい、衣類についてしまうことがあります。

4-2.重曹を入れすぎない

重曹はたくさん入れても、洗浄力が大幅にアップするわけではありません。入れすぎは溶け残りの原因となります。パッケージに記載してある使用量は守るようにしましょう。

4-3.色落ちや変色に注意

重曹は色物や柄物に使用すると、色落ちや変色する可能性があります。心配なときは目立たない部分に重曹をつけて、試してからにしましょう。
また、ウールやシルクなどデリケートな素材には向きません。重曹の粒子が繊維に入り込み、生地を傷めてしまうからです。

4-4.使えない洗濯機もあるため、取扱説明書を確認

重曹を使用できない洗濯機もあります。確認せずに重曹を使用すると、故障の原因になることも。

とくにドラム式洗濯機の場合は、使えないこともあるので、使用前に必ず取扱説明書をチェックしましょう。

まとめ

重曹は掃除だけではなく、洗濯に使用してもメリットが大きいアイテムです。汚れを落としてくれるだけではなく、消臭効果も期待でき、何より肌や環境に優しいのもうれしいポイント。

ただし、使い方を間違えると、ダマになり衣類に残ってしまうことがあるので注意しましょう。

また、単体で使用するのは、洗浄力が弱いためおすすめできません。洗濯洗剤と組み合わせて上手に活用してみてくださいね。

洗濯機のメーカーや種類によっては、重曹の使用ができないこともあるので、取扱説明書を確認してから行いましょう。

この記事でご紹介した内容は、家電製品に関連する一般的な情報をまとめたものであり、全てのメーカー、全ての製品に該当する内容ではございません。また、各メーカーや製品によって定められた取扱方法やメンテナンス方法と異なる対応をした場合は、安全性や品質保証を損なう可能性もございます。詳細はメーカーのサポートセンター、 またはプロの技術者にご相談していただくことを推奨いたします。