社員インタビュー

伝える力で、品質を守る。グローバルに活躍する品質管理のスペシャリスト

冷蔵庫の設計評価に携わりながら、ISO事務局も担当。旧三洋電機入社以来、電装設計や品質保証、海外工場の品質改善など幅広い業務を経験してきました。特にタイ駐在では、文化の違いに悩みながらも「相手に伝わる」伝え方を模索し続けた経験が、自身の価値観の原点に。今後は品質の意識改革や協業ルールの整備にも挑戦し、グローバルに通用する品質づくりに取り組んでいきます。

冷蔵庫 試作・品質 マネージャー Yさん

冷蔵庫 試作・品質 マネージャー Yさん

Q. 現在の業務を教えてください。

冷蔵庫開発における新商品の設計評価と市場品質の改善に携わっています。
私達の部門は、お客様の使い方による不具合や、量産時の組立のバラツキによる不具合などが発生しないかといった視点で、試作品を評価します。私は、その中で性能・電装関係の評価を行い、不具合を発見した時は、商品開発部門へ改善を要望し、量産までに不具合内容が改善されているかを確認しています。
また、市場品質の改善においては、市場不良の原因が材料なのか、開発設計時に組立誤差が正しく見積もれていないからかなどを調査し、一つひとつ改善していきます。
また、別の業務でISO事務局も担当しています。ISO9001,ISO14001の認証を受けており、それを維持するための活動を行っています。内部監査の計画実施、外部監査のスケジュール調整などが主な業務です。

Q. これまでのキャリアを教えてください。

冷蔵庫開発・製品評価の技術者として旧三洋電機に入社しました。
主に電装設計を担当し、消費電力量の測定や、電気部品・基板プログラムの設計に携わりました。開発だけでなく、製品試作に立ち会い、製造現場で不具合を解消することも重要な仕事でした。当時、生産拠点は日本にあったため、現在よりは容易に製造現場に行くことができました。その後、品質保証部門に異動になり、安全性について開発部門とともに評価する業務に携わりました。
生産拠点がタイ、中国に移管されることになり、開発で培った製造現場での経験から、タイ、中国の工場の品質改善を担当しました。定期的にタイ、中国に出張しており、1年の半分近くは海外で働くという状況でした。
さらにその経験がハイアールタイへの駐在につながります。
タイでは工場の日本向け商品の品質責任者でした。赴任時は日本人の駐在員がいたものの、最終的に日本人は私1人になりました。文化の異なる海外で頼る人もおらず、とにかくがむしゃらに突っ走った記憶しかありません。製造品質が悪いと日本の販売チームに迷惑をかけてしまうというプレッシャーもありました。タイの従業員は良くも悪くもおおらかで、日本市場で要求される高い品質基準に従い、厳しい目で製品をチェックできる人が少ない状況でした。「気付く」ことができないので、当然報告も上がりにくく、品質低下につながりやすい状況が続きました。日本のやり方、伝え方を繰り返すだけでは状況は改善しないと痛感し、相手に合わせた伝え方を意識するようになりました。3年間のタイ駐在を経て、現在は日本での冷蔵庫開発の設計評価に再び携わるようになりました。

Q. 仕事をするうえで大切にしている価値観を教えてください。

「相手に伝わる」伝え方が大切だと思います。
タイ駐在時に限らず、今でも海外のスタッフとはやりとりが多いです。
日本的なあいまいな表現だとなかなか伝わらないので、相手にしてほしいことをお願いするときは簡潔にストレートに伝えます。メールであればこまめに口頭で補足し、相手が海外の方であれば英語を併記する。相手が理解しやすいような配慮を心がけています。相手の理解が早まることがレスポンスを早め、全体のパフォーマンスアップにつながると思います。

Q. ハイアールアジアR&Dではたらく魅力は?

海外とやりとりしながらダイナミックな仕事ができることが大きな魅力です。
駐在のチャンスは減ってしまいましたが、出張は頻繁にあるので、世界中の方々と一緒に仕事ができます。世界の技術力を実際に見ることで、日本国内だけでは得られない経験ができます。
逆に世界のグループ企業に対し、技術的な指導、サプライヤーとの情報交換など、こちらが提供する立場になることもあります。グローバルで活躍したい方にはチャンスがゴロゴロあり、うってつけの会社だと思います。

Q. これから挑戦したいことを教えてください。

1つはISO関係において、内部監査の仕組みを使って、社内の標準化を進めることです。実行プランを立て具体的に進めることはもちろんですが、変革が必要なのは社員の意識です。社員に対し、積極的に改善をおこなう意識をつけ、日々の業務の中で課題や改善点を見つける「目」を養うような仕組みを作りたいです。当社の高い品質を支える、品質に関する全社規定も合わせて見直す必要があると考えています。
もう1つは新商品の開発において、他社と協業することも増えてきたので、協業のルールや手順書を整備したいです。例えば品質の評価であれば、当社の試験内容や条件の共有はできますが、当社がこれまでの経験で培った失敗事例やノウハウをうかつに社外に提供することはできません。技術情報の流出というリスクをはらんでいるためです。高い品質を守るためにリスク管理や社員の意識改革が重要だと考えています。