社員インタビュー
“ええもん”をつくる誇りを胸に。AQUAの挑戦をけん引するディレクター
AQUAブランドの洗濯機開発部門のディレクターとして戦略立案からOJT、他部門との調整まで多岐にわたる業務を担当しています。ドラム式洗濯乾燥機事業を撤退した悔しい思いを胸に、他社にはない機能を備えた「まっ直ぐドラム」を開発。旧三洋電機から続く歴史と技術を後世に引き継ぎながら、挑戦を続けています。
洗濯機 商品企画 ディレクター Nさん

Q. 現在の業務を教えてください。
日本市場向けの民生用洗濯機の商品開発部門でディレクターをしています。
全体の進捗管理をはじめ、戦略立案、他部門との折衝、企画会議、また部員のOJTなど幅広い業務に関わっています。
ハイアールアジアR&Dは、研究開発部門としては他の日系家電メーカーより人数が少ないと思います。そのため、一人ひとりの役割が多いことが特徴です。
Q. これまでのキャリアを教えてください。
旧三洋電機時代は、「上から開くドラム式洗濯機」等、独創的な商品の開発に携わりました。中でも一番印象に残っているのは「アクアループ」です。洗濯のすすぎの水をオゾンで浄化し再利用する節水・エコに特化した他にはないユニークな機能でした。実は、現在の「AQUA」ブランドの由来の一つでもあります。
その後、ハイアールへの事業譲渡プロジェクトに参画しました。当時は人数が極端に少なく、商品ラインナップの策定、商品企画、宣伝、広報など、1人で何役もこなさなければならない状況でした。さらにハイアール本社とのやりとりもあり、当時の開発拠点だった群馬と中国を行ったり来たりして多忙を極めました。
事業譲渡のころ、私含めともに働くメンバーには2つの想いがありました。1つは、2011年に発生した東日本大震災を受けて、「どうにかして日本に貢献したい」という強い想いです。
もう1つは「旧三洋電機のメンバーとして新しいブランドを作りたい」という想いです。三洋電機という、おもしろく独創的な商品を作るメーカーを残したい、これまで家電製品を通して向き合ってきた本質的な課題に対し、独自の答えを提供し続けることをあきらめたくない。
それらの想いを受けて誕生したのが「AQUA」ブランドでした。世界につながる「水」というキーワードに着想し、Japan to Global (日本から世界へ)を掲げました。
その後、2014年からベトナムも担当しました。旧三洋電機はベトナムでも展開していたため、その基盤を失わずAQUAブランドにスライドしていくことが求められました。当時製造工場があったベトナムで現地向けの商品企画をしつつ、日本市場向けの新商品も担当しながら、それらのノウハウを次世代に継承していくことに力を入れていました。
今は日本市場向けの商品企画でディレクターとして、洗濯機の商品開発を続けています。
ドラム式洗濯乾燥機は今でこそAQUAの主力商品の一つですが、撤退した過去があります。当時、今では主流のお湯洗いなど新しい機能も盛り込んで高い評価をいただいたものの、収支が合わずにあえなく撤退。非常に悔しい思いをしたので、絶対にもう一度ドラム式に挑戦すると心に決めていました。満を持して2022年から 、「まっ直ぐドラム」シリーズで再挑戦しました。コンパクト性など他社にはない特徴と使いやすさを追求し、お客様からご支持いただき、シリーズを拡大できていることはとてもうれしいです。
Q. 仕事をするうえで大切にしている価値観を教えてください。
特に商品開発の分野においては、物事の本質・目的を見失わないことです。細部までこだわることももちろん大切ですが、枝葉にとらわれすぎず、常に本質を意識しています。
あとは「こだわりを持ってええもんを作る」ですね。
旧三洋電機の洗濯機部門はある種、職人集団であり、専門家の集まりでしたが、「広く深い」知識を持つ方がたくさんいました。その方々は、自分のカテゴリーを超えて専門的な知見があるので、セクション外にもいい意味で口出しできます。知識に裏打ちされた深く、こだわりを持った方の知見を集めて、独創的な製品を作り上げることは昔から変わらず大切にしていることです。
また、ディレクターという立場の場合は、皆のこだわりを本質的な、本来の目的に導くことも重要だと考えています。
Q. ハイアールアジアR&Dではたらく魅力は?
キャリアに関わらず前に出て意見を出せる社風です。
提案を採用する・しないはともかく、意見を受け入れる体制は常にあるので、自分の意見を述べ、めまぐるしい変化を楽しめる方には向いている会社だと思います。
ハイアールアジアR&Dは「資本力のあるベンチャー」だと思います。
拠点も熊谷、京都と限られており、組織もそれほど大きくないので、顔を突き合わせて、コミュニケーションを密に取りながら仕事ができます。
今後は若手がもっと提案しやすい体制を作り、仕事がしやすい環境を整えていきたいです。

Q. これからの挑戦したいこと・目標を教えてください。
モノづくりにおいて徹底したユーザーファーストは大前提として、事業としても継続的な利益を出すことが常に意識している目標です。
ハイアールアジアR&Dは、旧三洋電機時代から含めると70年以上の歴史があり、国内でもトップクラスの歴史と技術が継承されている稀有な会社です。
グローバルの力を借りつつ、この日本の技術力・開発力をいかにして後世に引き継いで世界へ発信していくか、大きな挑戦になると思います。