冷蔵庫の消費電力はどれくらい?冷蔵庫の消費電力を低く抑えるためのポイントを解説

2023.06.27

冷蔵庫

冷蔵庫は、常に動いている家電。

使わないときは電源をOFFにして節約できるものではないので、他の家電と比べると消費電力量が多そうですよね。

そこで今回は、冷蔵庫の消費電力についてくわしく解説していきます。実際に販売されている冷蔵庫で消費電力の計算方法や、冷蔵庫の節約方法もご紹介するので、早速今日から試してみてください。

1.冷蔵庫の消費電力量は家電の中で2番目に多い

1-1.冷蔵庫の消費電力は全体の約14%

家の中には、テレビや照明器具、エアコン・洗濯機などさまざまな家電がありますが、エアコンに次いで冷蔵庫の消費電力は多いといわれています。

資源エネルギー庁のデータによると、エアコンは約30%、冷蔵庫の消費電力は約14%。続いて照明器具が約13%となっています。

世帯あたり用途別電力消費

(出典元:経済産業省資源エネルギー庁

1-2.新しいモデルの冷蔵庫は消費電力が低くなる

冷蔵庫の消費電力量は、メーカーや機種によって異なりまが、一般的に新しいモデルになればなるほど、消費電力は低くなる傾向にあります。

2010年モデルの冷蔵庫の年間消費電力は約400kWhですが、2020年のモデルの冷蔵庫の年間消費電力は約250kWh。その差はなんと150 kWh!

電気代は、平均電力単価31円/kWhで計算すると、年間で約4,000円の違いがでます。

2.冷蔵庫の大きさと消費電力

2-1.大きさと消費電力量は比例しない

「小さい冷蔵庫の方が、消費電力量が少ないのでは?」と思ってしまうかもしれませんが、冷蔵庫のサイズと消費電力量は比例しません。

一人暮らし用の200~250Lの冷蔵庫の年間消費電力量は約360kWhですが、500L以上の冷蔵庫の年間消費電力量は約240kWh。
実は大きいサイズの方が、消費電力量が少ないのです。

冷蔵庫本体の価格は、大きい方が高くなります。しかし、節電をしたいのであれば、長い目で見てコストパフォーマンスが高い、大きいサイズの冷蔵庫を選びましょう。

2-2.冷蔵庫の大きさと消費電力が比例しない理由

大きい冷蔵庫の方が、たくさんのエネルギーを消費しそうなイメージですが、なぜ消費電力は比例しないのでしょうか?

冷却の仕組みが異なるため

最新の大型冷蔵庫は、無駄な稼働を制御し、冷蔵庫の食品の量に合わせて冷気を送るなど、便利な機能が搭載されていることが多いです。

小型冷蔵庫にも、このように省エネ機能が搭載されていますが、大型冷蔵庫に比べると性能が落ちてしまうことも。

大型冷蔵庫の方が、機能性が高いので、冷蔵庫が自動でこまめに調整を行い、消費電力量を抑えることができるのです。

断熱性能は大型冷蔵庫の方が良い

大型冷蔵庫には、いい断熱材が使われているのも、消費電力量を抑えることができる理由の一つ。

また、冷蔵庫の表面から熱がにげていくため、小型冷蔵庫の方が、表面積が小さく冷気を保ちにくいというデメリットがあります。

内部に余裕があるから冷やしやすい

冷蔵庫の食品をつめすぎると、冷気がうまく行きわたらず、設定温度になるまで冷やそうとするため、無駄な稼働が増えてしまいます。

大型冷蔵庫は庫内が広く、余裕をもって収納できるため、冷気の通り道がしっかりとあることが、消費電力量が少なくなる理由です。

冷気がしっかりと循環してくれるので、無駄な稼働を抑えることができます。

冷蔵庫

3.使っている冷蔵庫の消費電力の確認方法

3-1.年間消費電力をチェック

使っている冷蔵庫の消費電力の確認をしたいときは「年間消費電力」をチェックしましょう。

年間消費電力は、冷蔵庫の本体や取扱説明書に記載されています。

リアルタイムの消費電力の方がいいのではないかと思うかもしれませんが、使用状況やサイズ、製造年数で変化がある冷蔵庫は比較が難しいため、年間消費電力での比較がベストです。

3-2.年間消費電力から一日あたりの消費電力や電気代の計算方法

一日あたりの消費電力を計算する方法は「年間消費電力量÷365日」。

一日あたりの電気代を計算する方法は「年間消費電力量×1kWhあたりの電力量料金÷365日」となります。

年間消費電力量が300 kWhの場合は、一日当たりの消費電力量は約0.82 kWhです。

また、一日あたりの電気代は、1kWhあたりの電力量料金を31円と仮定した場合、約22円となります。

ちなみに1kWhあたりの電力量料金は、「公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会」によって現在(2023年6月時点)の目安単価は31円と定められています。

冷蔵庫

4.冷蔵庫の消費電力を低く抑えるためのポイント

4-1.冷蔵庫内の設定温度を弱くする

現在「強」の場合は、「中」にすると、冷蔵庫のサイズや製造年数などにもよりますが、年間60 kWh前後の節約が叶うかもしれません。

ただし、暑い季節は、「中」だと充分に冷えないことも。冷蔵庫内の設定温度は季節によって、調整するといいでしょう。

冷蔵庫のメーカーや機種によっても温度設定は変わってきますが、目安として、夏は「強」、春と秋は「中」、冬は「弱」がおすすめです。

また、冷蔵庫に省エネ機能があるときはONにしてみましょう。

冷蔵庫 温度

4-2.詰め込みすぎず、庫内にゆとりをもたせる

冷蔵庫を詰めすぎないことも、消費電力を低く抑える大切なポイント。

5割程度の収納がベストです。多くても7割までにしましょう。

詰め込みすぎると、庫内に冷気が行きわたらず、無駄な稼働が多くなり、消費電力が増えてしまいます。

4-3.置き場所が壁と近すぎない

冷蔵庫は熱を放出しています。そのため、ぴったりと壁とくっつけたり、他の家電や家具と近づけすぎたりすることはNG。

冷蔵庫が自ら放出した熱で温まってしまうため、無駄な稼働を増やします。

隙間を少し空けるだけで年間約45kWh前後の節約が叶うかもしれません。

4-4.開閉時間と回数を減らす

冷蔵庫は開けるたびに、冷気が放出されてしまいます。

そのため、開閉時間と回数をなるべく減らすことで、消費電力を抑えることができます。

日頃から冷蔵庫を整理して、何を取り出すのか、冷蔵庫を開ける前に考えてから、開閉するように心がけましょう。

冷蔵庫

まとめ

冷蔵庫は、家庭の中で最も消費電力が高い家電です。

常に動きっぱなしの冷蔵庫の節電は難しいと思ってしまうかもしれませんが、古すぎる冷蔵庫は電気代節約のために買い替えを検討し、購入するときはなるべく大きいサイズの冷蔵庫を選ぶといいでしょう。

また、冷蔵庫の使い方を見直すだけでも、消費電力を抑えることができます。

冷蔵庫に食品を詰め込みすぎない、開閉時間と回数を減らすなど、工夫をしてみてくださいね。

この記事でご紹介した内容は、家電製品に関連する一般的な情報をまとめたものであり、全てのメーカー、全ての製品に該当する内容ではございません。また、各メーカーや製品によって定められた取扱方法やメンテナンス方法と異なる対応をした場合は、安全性や品質保証を損なう可能性もございます。詳細はメーカーのサポートセンター、 またはプロの技術者にご相談していただくことを推奨いたします。