人単合一モデルを紐解く
“社員一人一人が自らのCEOとして”

2021.03.17

00.Haierの日本でのあゆみ

Haierが日本市場に参入してから、20年目になります。
現在、HaierとAQUAのWブランドで好調な業績となっています。中大型冷蔵庫/冷凍庫/新生活のシェアが業界トップ、コインランドリー業界では70%以上のシェアを占め、各事業で成果を上げています。
このような業績を上げるまでには、多くの困難と挑戦がありました。

ハイアールグループ日本地域は、グローバル企業Haierの中でも、海外で初めて「三位一体戦略」を実施、「Wブランド」を実施、製品開発と技術開発を統合した「R&Dセンター」の設立、人単合一モデルを本格的に実践したチームとなります。
数々の「初」は、ハイアールグループ日本地域のイノベーションと突破の連続でした。 この20年の間に、日本地域では四つの段階を経ています。

■2002-2007 競合段階/リソース交換

第一段階は、Haierが日本市場に参入した2002年1月に始まりました。 参入のきっかけは、当時、中国市場を開拓したいと考えていた三洋電機との競争関係と、日本市場を開拓したいと考えていたHaierとの相乗効果で、お互いの資源を共有する協業関係になったことです。

当時のHaierは、日本市場に参入することが非常に困難で、日本ブランド以外に海外の家電ブランドは存在せず、日本は世界で最も先進的な家電王国として知られていました。日本市場に参入したHaierは大きな課題を抱えており、本格参入の糸口を探っていました。
Haierと三洋の協力関係は、当時の日本のメディア・経済界から驚きをもって迎えられました。戦略的資源の共有、つまりHaierの資源・販売力を利用し、中国で三洋製品を販売。一方で、三洋の資源・販売力を利用し、日本でHaier製品を販売。 当時のメディアは「この協力関係は、全く新しい方式の競合、競争と協業の確立」とコメントしています。

2002年1月8日、Haierの50L冷蔵庫と4.5KG洗濯機が計6コンテナで日本に初上陸したことを、当時、日本市場を担当していた杜鏡国氏(現CEO)は、はっきりと覚えていました。 中国CCTVのTV Newsでは、”中国ブランド製品がいよいよ日本市場に進出”と報じられ、忘れられない日となりました。

■2007-2011 合弁段階 共同研究開発

第二段階は、2007年にHaierと三洋電機で合弁会社「ハイアール三洋電気株式会社」を設立したことです。 Haierは三洋電機の生産ラインを中国に移し、日本ではHaierと三洋電機が研究開発、技術、品質管理などを統合することで、合弁会社となりました。

両ブランドの冷蔵庫を開発・生産することで大きなシナジー効果が得られ、 統合前の三洋の冷蔵庫部門は10年連続赤字でしたが、統合後には赤字を脱却し、黒字化を達成しました。

■2011 M&A段階 三位一体

第三段階は、いよいよ合併の段階です。 この頃には様々な協業・統合からHaierと三洋はよりお互いを理解していたため、スムーズなM&Aとなりました。2011年に突如合併したのではなく、両者は約10年の付き合いを経て、同じタイミングで合併という選択肢を選んだのです。

2012年、Haierは三洋電機の白物家電事業を譲渡されました。合併の範囲は、日本と東南アジアの4工場、6カ国の市場を含み、アジア地域を中心とした「246の市場」が形成されました。 2は2つの研究開発拠点、4は4つの製造拠点、6は6カ国の市場を表し、Haierは日本市場で自らの発展していく段階に入りました。

■自主発展段階:ブランディング

第四段階は、自主発展の段階となります。
Haierは、日本と東南アジアの法人・組織を再編し、三位一体組織を確立。三位一体とは、研究開発/製造/販売を指しています。日本では、HaierとAQUAの Wブランドの市場開拓を加速、京都と熊谷にR&Dセンターを設立することでWブランドの技術力を結集し、グローバルR&Dネットワークの主要拠点としてグローバル市場に貢献しています。

01.人単合一を日本に

ハイアールグループ日本地域CEOの杜鏡国氏は”2002年に参入し、日本市場を開拓したことは非常に光栄。当時の日本市場では、私は唯一青島本社から派遣された経営者でした。” と語っています。
杜鏡国氏は1986年にハイアールに入社した “ベテラン”でありながら、考え方は常に”斬新”。

日本において、人単合一モデルを定着させることは非常に難しい。「人単合一」の経営理念は、個人と目標を一つにし、社員自らが新しい価値を探し、創り出すことを重視します。定着に向けて、まず「人単合一」という言葉を社員に覚えてもらうことから始めました。

その後、ハイアールジャパンでは会社だけでなく、個人の目標にも人単合一の評価を盛り込むべく社内調整を進めました。当時の日本では、終身雇用制度・年功序列による安定した給与体系が一般的でした。人単合一の評価・契約では社員自ら動き、新たな売上・仕組みを創り出せば更なるボーナスが付与されますが、社員の理解を得るのは容易ではありませんでした。
ハイアールジャパンでは、評価制度・雇用制度・ボーナス制度などあらゆる面で調整を行い、今までの仕組みを打破しました。杜鏡国氏の言葉によると、人単合一を定着させるための手段は、主に3つで “破、立、融”。

“破”とは、日本の年功序列制度を壊すこと。 昇進の仕組みを改革し、平等主義を打破し、年功序列を変え、新しい給与制度と管理体制を立ち上げることです。
“立”とは、人単合一モデルで新しい制度を作ること。 メカニズムの革新には、ボーナス・給与・退職制度等があり、人単合一の元、新しい評価や昇進システムを確立。契約メカニズムでは、チャレンジ目標契約やプロジェクト契約の推進。 このような制度を作り上げることが、重要なポイントとなります。
“融”とは、最も重要な文化の融合のことです。 Haierと三洋が合併する際、張会長は「どんな合併プロジェクトでも、資本での合併自体はシンプルだが、合併プロジェクトの成功については、文化の統合が成否を分けるのです。」と話しています。

斬新なアイデアを実行するには勇気が必要です。人単合一モデルには、評価制度・組織構造・目標設定、昇進等の仕組みなどが含まれ、すべての要素がお互いに繋がって、影響し合っています。 企業を変えるには、まず「人」から始めなければなりません。

Haierでは、社員一人一人が自らのCEOとして仕事に向き合っています。「人単合一」の経営理念は、個人と目標を一つにし、社員自らが新しい価値を探し、創り出すことを重視しています。160カ国以上に事業展開するHaierでは、約10万人の社員が国籍・年齢を問わず、グローバルシナジーを発揮しながら、時代をつくる新たな挑戦をし、活躍の場を広げています。
Haierが日本市場に参入してから20年。今まで以上に躍進し、社員一人一人が自らのCEOとして仕事に向き合い、市場に新しい価値を創出していかなければなりません。